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【万博を大阪に(下)】「おもてなし」が誘致の鍵 岡村善文さん・外務省政府代表 誘致特使に聞く

2017/11/15

 政府が大阪湾の人工島・夢洲(ゆめしま=大阪市此花区)に誘致を目指す2025年国際博覧会(万博)。外務省は「万博誘致特使」に国際的に活躍する3人の著名人を起用。その一人、日本政府代表(平和と安定に関する国際協力担当)の岡村善文さん(59)に大阪万博への思いを聞いた。(牛島要平)

アフリカとの関わりが深い岡村善文さん。誘致には国の数が世界で最も多いこの地域の票が重要と語る(納冨康撮影)

 今回の万博誘致に当たって、国の数が世界で最も多いアフリカの票が非常に重要。アフリカの首脳には、大阪に来てくださいと語りかけたい。アフリカの国々はトップダウン。大統領や国内の有力者に働きかけ、日本は大切な国だ、だから日本支持だという気持ちを持ってもらうことが大事だ。

 アフリカで日本は、長年の経済協力の積み重ねで築いた関係があるだけではない。アフリカの人々は日本に期待を寄せている。自分たちの道を日本が示してくれていると感じている。

 アフリカを植民地にしていたフランス人や英国人は「私たちの方が財産や知識があるから、お前たちは言うことを聞けばいい」という姿勢で現地人に接して、アフリカの人々も慣らされていた。

 それでも貧困は撲滅せず、紛争も続く中、日本は「自分でやろうとしない者は助けない。自分でやればできるはずだ」という原則を掲げた。これはアフリカの人々には精神革命だった。人々は能力や潜在力を日本が信じてくれていると感じた。

 1960年代にはアフリカよりアジアの方がもっと貧困があり、血みどろの戦争があった。ところが今、アジアには大きな工場がどんどん建ち、人々はいいものを着ている。背景に日本の存在がある。アフリカは日本に「今度はアフリカを助けてほしい」と熱い視線を向けている。

 一方、フランスの精神的影響が根強いことも無視できない。フランス語圏アフリカのエリートにどこの大学を出たと聞けば、胸を張って「ソルボンヌ(パリ大学)だ」と言う。フランスよりおいしいバゲットやクロワッサンを焼き、シャンソンを聴き、フランスメディアで世界のニュースを聞く。

 それでも日本を支持してもらう鍵は、「おもてなし」の文化だと思う。

 話を聞くとき、賛同もしないのにうなずくのは日本人だけ。それは相手の人生をほとんど自分の人生の一部のように感じるからだ。こういう精神が世界にとっては魅力的に映る。その原点は関西人にある。「あなたが来た以上、私たちの仲間です」と分け隔てなく受け入れる、そんな関西、大阪の心を訴えたい。

 おかむら・よしふみ 昭和56年に東京大卒業、外務省入省。フランス公使などを経て、平成20年にコートジボワール大使に就任。24年にアフリカ部長に就くとともに、第5回アフリカ開発会議(TICAD)事務局長も務める。26年、国連大使。今年6月から日本政府代表(平和と安定に関する国際協力担当)。大阪府出身。

【関連サイト】[連載] 【万博を大阪に(上)】千玄室さん・裏千家前家元 誘致特使に聞く

【関連サイト】[連載] 【万博を大阪に(中)】コシノジュンコさん・デザイナー 誘致特使に聞く

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