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すだちぶり、ウメビーフ、バウムクーヘン豚…ブランド“ご当地飼料”で風味も栄養もアップ

2017/11/14

 養殖魚や家畜を育てる際の飼料にフルーツなど、ご当地の特産品を加える手法が広がりを見せている。通常の飼育方法よりも手間や費用はかかるものの、甘みや爽やかな香りなどといった風味だけでなく、栄養価も上がるという。生産者らは「すだちぶり」(徳島県)や「大阪ウメビーフ」(大阪府)など、加えた飼料をブランド名に取り入れるなどしてアピールしている。(江森梓)

生臭さがなく後味さっぱり ビタミンEも3~4倍

「エサにスダチを入れると生臭さがなく、後味がさっぱりしたブリになるんです」。徳島県鳴門市の北灘漁業協同組合参事の菊川力男さん(42)は同県特産の「すだちぶり」について、こうPRする。

 すだちぶりは、鮮魚販売などを手がける商社「徳島魚市場」(徳島市)と同漁協が共同開発し、平成25年から販売。同漁協の船が漁をする鳴門海峡付近の海域は潮流が速いため水質が良く、昔からブリの養殖がさかんだったが、生産量で徳島県が全国1位の生産量を誇るスダチを、飼料に加えることを思い立った。

 乾燥したスダチの皮を粉末にして魚粉や大豆でつくった飼料に混ぜることで、爽やかな味わいに仕上がるだけでなく、身に含まれるビタミンEも従来の養殖魚の3~4倍に。評判は上々で、県内外に年間約6万匹前後を出荷している。

 すだちぶりのように、かんきつ系を中心とした果物を飼料に加える養殖方法は「フルーツ魚」として近年、各地に広がっている。「みかん鯛」(愛媛県)や「かぼすヒラメ」(大分県)など、さまざまな「ブランド魚」があるが、工夫を凝らしているのは魚だけではない。

「チョーヤの梅酒」の漬けウメを使用

 大阪府などで生産されている「大阪ウメビーフ」は、地元の醸造会社「チョーヤ梅酒」(同府羽曳野市)が梅酒を漬けた後の漬けウメを、飼料に混ぜて与えている。生産者などでつくる「大阪ウメビーフ協議会」によると、漬けウメは食前酒のような効果があるといい、ウシの食欲増進につながるほか、あっさりとした脂に仕上がり、一般の牛肉に比べてビタミンEが約1・4倍になるという。

「もったいない」の精神 廃棄予定のバウムクーヘン切れ端を有効利用

 一方、滋賀県日野町の「藏尾(くらお)ポーク」の農場では、県内の菓子メーカーで廃棄される予定だったバウムクーヘンの切れ端を飼料に混ぜて与える「バウムクーヘン豚」を生産。菓子メーカーから「余る切れ端がもったいない」と聞いたことがきっかけだが、今ではつやつやとしたピンクの霜降りと甘い脂身が全国で人気を呼んでいる。

 近畿大学水産研究所の升間主計(ますま・しゅけい)所長は「地域の特産品を飼料にしてブランド名に冠することで、他商品との差別化が図れる上、この地域にはこんな特産品があるというPRにもなる」と指摘。「こうした取り組みはさらに広がっていくだろう」と話している。

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