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終電乗り遅れてもOK 駅前「遊休地」に高級カプセルホテル 鉄道会社と連携

2017/11/06

 終電に乗り遅れたサラリーマンが格安で泊まれる-。そんなイメージが強いカプセルホテルで、鉄道会社と連携して高級感を打ち出す動きが関西で広がっている。駅前の一等地にありながら、まとまった面積ではないため遊休地としてもてあましていた鉄道各社にとっても、メリットは大きい。大阪市内では10月下旬、こうしたカプセルホテルが相次いで開業。昨年の訪日外国人は約2400万人と4年間で3倍近くに急増しており、観光の新たな掘り起こしに力を入れる。(田村慶子)

 JR天王寺駅近くに同月28日、夜行列車の個室をイメージしたカプセルホテル「ファーストキャビンステーション あべの荘」(大阪市阿倍野区)がオープン。全129室のうち2室のコンセプト室は、平成27年3月まで大阪-札幌間を走っていた寝台特急「トワイライトエクスプレス」の内装を再現した。

 高級カプセルホテルを展開するファーストキャビン(東京都千代田区)が、JR西日本と合弁会社を設立して開業。もともとJR西の保養所だったが、利用者の減少もあってカプセルホテルに改修された。通常の客室は5900円からだが、コンセプト室のシングルは1万6千円で高級感をアピールする。

 「鉄道会社が持つブランドと駅近の遊休地を生かせるメリットは大きい」。ファーストキャビンの東智隆副社長は、鉄道各社との連携の理由をこう説明する。

 鉄道各社にとっても、自社の遊休地を生かして安い投資で早く元が取れるカプセルホテル事業は魅力的。阪急阪神ホールディングス(HD)と提携したカプセルホテル「ファーストキャビン阪神西梅田」は、10月31日にオープン。阪神本線福島駅前にあり、線路跡地を活用した。線路跡だけに敷地は細長く利用しにくかったが、カプセルホテルなら広大な面積も必要なく、細長い建物にした。阪急阪神HDは同様の施設を37年度に6店舗にする計画だ。

 鉄道会社が運営し廃業したホテルが、カプセルホテルとして生まれ変わるケースもある。京福電鉄嵐山本線嵐山駅直結の商業施設内に来年3月ごろ開業予定なのが「ファーストキャビン京都嵐山(仮称)」(京都市右京区)。同施設には40室ほどの女性専用のホテルがあったが、平成14年に閉鎖。今回、高級な宿が多い嵐山で、女性に限らず外国人らも対象に手頃に泊まれるカプセルホテルとして90~100室を確保した。

 ファーストキャビンは京都市下京区に12月、近畿日本鉄道系の近鉄不動産が所有するオフィスビルを改修した「京都三条(仮称)」、JR和歌山駅近くにも来年にJR西と連携した「ステーション 和歌山駅」の開業を予定している。

 ホテルジャーナリスト、井村日登美(ひとみ)さんの話「一般的なホテルやオフィスより初期投資は格段に安く、鉄道各社はカプセルホテルを最適な投資先と見ている。先行きのインバウンド需要に不安はあるが、カプセルホテルならリスクは少ない。アクセスの良い駅近だけに、周辺の不動産価値を高めることで沿線人口を増やす狙いもあるだろう」

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