Logo sec

百貨店、化粧品売り場活況 30カ月連続増「訪日客だけではない」

2017/11/02

 百貨店業界で化粧品の販売好調が際立っている。三越伊勢丹と高島屋、大丸松坂屋百貨店を運営するJ.フロントリテイリングの大手3社は1日、10月の既存店売上高は前年同月比約1、2%のプラスだったと発表した。全国の店舗をみると、主力の衣料品の売上高はネット通販との競争などで2年前と比べ平均9%近く落ち込んだが、逆に化粧品は直近の9月まで30カ月連続の右肩上がりで、約35%伸びている。その牽引(けんいん)役は、年間2000万人を超えて増え続ける訪日客ばかりではない。

来店客でにぎわう松屋銀座店の化粧品売り場。8月に改装して出店ブランドを増やした=10月18日、東京都中央区

 平日昼の松屋銀座店(東京都中央区)1階。外国人の家族連れで一杯だ。「8月に喫茶店とチョコ売り場を化粧品売り場へ改装し、出店ブランドを2つ増やした」と広報担当者。“爆買い”がなりを潜めても、3年前に免税対象となった化粧品の人気は衰えない。

 アジアからの格安航空会社(LCC)が多く乗り入れる関西では、阪急うめだ本店(大阪市北区)が組織を改編し、衣料品や雑貨も扱う「婦人部」から「化粧品部」を独立させた。

 「消耗品だけに、LCCで定期的に来日してまとめ買いする上得意も多い」。大丸松坂屋百貨店を展開するJ.フロントリテイリングの山本良一社長は話す。だが、活況を支える上で日本の女性も負けていない。訪日客の少ない地方店でも、高崎高島屋(群馬県高崎市)は9月の全館改装で化粧品の出店ブランドを23から30に増やした。

 「ここ数年、20代のお客さまが目に見えて増えた」と解説するのは、松屋の化粧品バイヤー、寺本知香さん。ドラッグストアなどに並ばない高級ブランドが、イニシャルを刻印した口紅など「SNS(会員制交流サイト)映え」する商品で若年層への訴求を強めている。服やバッグなどと比べ「化粧品は若い女性も手の届く高級品」(同)だ。

 しわを改善する医薬部外品の美容液など機能性が高いヒット商品の登場も大きい。専門的な肌診断やスキンケア指導といった、百貨店ならではの細やかなサービスが強みとなっている。

 「好調のベースは、働く女性の増加だ」。日本百貨店協会の山崎茂樹専務理事は、女性就業率が66%(2016年、内閣府)と、4年間で5.3ポイント上昇した事実を指摘。「管理職の女性も増え、“それなりの化粧品”を求めるニーズが高まっている」と読み解く。

 化粧品の好調は、業界の課題である若年層の取り込みにつながっている。ただ、その売上高構成比は1割強で、3割を占める衣料品が主力商材であることには変わりはない。「化粧品から服への買い回りにつなげたい」(京王百貨店)という各社の工夫が“百貨店復権”の鍵となる。(山沢義徳)

あわせて読む

COOL JAPAN

もっと見る
「COOL JAPAN」の記事をもっと見る

みやげ

もっと見る
「みやげ」の記事をもっと見る

資生堂

もっと見る
「資生堂」の記事をもっと見る

百貨店

もっと見る
「百貨店」の記事をもっと見る

カネボウ

もっと見る
「カネボウ」の記事をもっと見る

パリミキ

もっと見る
「パリミキ」の記事をもっと見る

化粧品

もっと見る
「化粧品」の記事をもっと見る

コーセー

もっと見る
「コーセー」の記事をもっと見る

宝飾品

もっと見る
「宝飾品」の記事をもっと見る