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[連載]宗さんがゆく!(2)中国人観光客は何しに日本へ? 友人たちの行動をチェックしてみた

2017/11/01

訪日ビジネスアイをご覧の皆さま、こんにちは!

10月1日は、「国慶節」と呼ばれる中国の建国記念日でした。今年は10月4日が伝統的な祝日「中秋節」だったため、例年よりも1日長い8連休となりました。この時期、日本各地でたくさんの中国人を目にした方も多いのではないでしょうか。

中国国家観光局の統計では、今回の大型連休に海外旅行をした中国人は過去最高の600万人規模、国内旅行は7億人を突破したそうです。また、中国のオンライン旅行大手シートリップ社が発表した連休中の渡航先ランキングでは1位がタイ、2位が日本、3位がアメリカという結果で、日本は昨年の3位からさらに順位を上げています。中国では外貨流出を懸念し、一部の地方政府が訪日団体旅行を制限しているとみられていますが、その一方で個人旅行は非常に増えています。

4つのケースにみる日本の楽しみ方

連載2回目の今回は、訪日中国人、特にFIT(Foreign Independent Tour)と呼ばれる個人旅行者が、日本のどの場所をどんなふうに旅をしているのか、最近日本に旅行に来た私の友人の例を挙げながらご紹介したいと思います。

ケース1 一人旅で地方都市へ

香川・小豆島では1泊2食付きの宿に宿泊し、瀬戸内海の自然を堪能

30代前半の外資系企業に勤めるA君は、これまで東京や大阪を中心に旅行していたようですが、今回は四国・香川県の小豆島と高松に目を向けました。4泊5日の旅は、高松市内はビジネスホテルに、小豆島では1泊2食付きの温泉宿に宿泊。細かいスケジュールは立てず、瀬戸内海沿いを自転車で走ったり、写真を撮ったりと思うままに過ごしたようです。

買い物には、会社の人へのお土産(お菓子など)や友人から頼まれたもの(化粧品や哺乳瓶、ベビー用ボディーソープなど)を中心に、総額10万円くらいを使いました。彼いわく、地方都市は東京や大阪ほどは英語が通じず、少し不便を感じたそうです。ちなみに、私の周りでは、富士山や河口湖、金沢、富山なども最近人気の旅行先です。

ケース2 一人旅でジャパニーズカルチャーを堪能

東京・秋葉原のイベント会場で見つけたトラックに描かれたアニメデザインにも日本のカルチャーを感じている

30代後半のアニメ好きのBさんの旅の目的は、応援する声優さんのイベント参加。イベントのことは中国版Twitter「微博(ウェイボー)」で知り、日本に住む中国人の友人にお願いしてチケットを入手したそうです。

イベントの後は、秋葉原や池袋でアニメ関連のグッズや雑誌、CD等、総額10万円程度を購入。2泊3日の旅は、民泊紹介サイトAirbnb(エアビーアンドビー)で見つけた宿や友だちの家に宿泊し、節約した分をグルメに費やしました。アニメをきっかけに日本語を独学で勉強した彼女は、言語面での問題がないため、声優さんのイベント以外にも、日本映画を観に行くなど、ジャパニーズカルチャーを思う存分楽しみました。

ケース3 友人との旅行でショッピングと散策

20代後半と30代後半の女性2人で来日した私の元同僚。いつもお買い物が目的のため、東京や大阪のような大都市に行くことが多いそうです。今回も東京の百貨店やドラッグストアを中心に巡り、見頃だったアジサイを見に鎌倉にも足を運んだそうです。ショッピング目当ての彼女は、化粧品や洋服、お土産や頼まれたものなど、20万円程度を買い物に費やしたそうです。

ケース4 家族旅行は子供に異国での体験をさせたい

家族や親族と共に日本を訪れる旅行者が増えていますが、中でも、子供に異国での体験をさせたい、視野を広げさせたいという若い親たちの思いが高まり、子連れの日本旅行がますます人気になっています。

行き先は、東京ディズニーランドやユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)が人気のほか、温泉と大自然を求めて九州や北海道、沖縄に行くケースも少なくありません。私の友人、30代前半の夫婦と子供も、5泊6日の北海道旅行で温泉と自然を満喫しました。ベビーカーと一緒に行動する彼らは、以前、東京で地下鉄や電車に乗るときエレベーターが見つからずとても疲れたそうで、今回はレンタカーやホテルのシャトルバスを活用したそうです。

以上が私の友人の訪日旅行の代表例です。個人旅行が増えたことで、行き先や楽しみ方も多様化しているという特徴があります。

旅行先に買い物…SNSをフル活用

都内の百貨店にある化粧品売り場でショッピング

中国の人たちは個人旅行のプランを立てる際、旅行攻略サイト(個人旅行者が旅行体験を投稿しているサイト)や「微博」、中国版LINEである「微信(ウェイシン)」などから情報を入手し、交通手段や宿泊先はツアー会社やAirbnbなどの予約サイトを使って予約します。「蚂蜂窝(マァファンウォー)」と呼ばれる旅行ポータルサイト(口コミ機能や航空券・ホテル予約機能が実装されている)も人気で、登録者数は1億人を超えています。

また、買い物の仕方にも大きな変化が出ています。「爆買い」から連想される炊飯器や温水洗浄便座などの大型商品は、個人旅行では荷物になるので購入されません。また、紙おむつや粉ミルクなどは、中国のECサイト「淘宝網(タオバオワン)」でも販売されるようになったことから、訪日中に買われることは少なくなりました。

今、私の周りで人気なのは、化粧品や目薬、ストッキング、酵素サプリメントなどです。日用品も人気で、ハンドソープや布製品用消臭剤のファブリーズ、キッチングッズ、折り畳み傘や爪切りなども人気です。

日本製品の新商品や新フレグランスなどの新しいものも人気で、新商品に関する情報入手スピードは、日本人と大差がないように感じています。中国の人たちは、このような情報を「微信」や「微博」から入手するのですが、有名人が使っていたり、友達がSNSで推薦したりした情報には非常に敏感で、影響力がとても大きいです。

もう一つの特徴として、友人から頼まれた物を買って帰るということです。私も経験があるのですが、日本に行くことや訪日中の様子を「微信」や「微博」に投稿すると、それを見た中国人のお友達からたくさんのお買い物を頼まれます。中国人の多くは、日頃から日本製品の情報を収集しているし、自分の周りで日本に行く人がいたら買い物をお願いするのが当たり前になっています。

今回は、今急増している中国の個人旅行者にフォーカスして、訪日時の過ごし方や購買行動をご紹介しました。さて、私自身は、これから秋の日本の旅を楽しみたいと思っています。まずは紅葉を堪能しに、奥多摩散策に行きたいと考えています。

宗杏梅(そう あんばい) 中国江蘇省南通市出身。北京第二外国語大学日本語学科を卒業後、中国のPR会社やデジタル広告代理店勤務を経て、2017年6月に来日。ペイサーに入社し、ソーシャルメディアを活用したインバウンド支援を担当。坂本龍馬が好きで、上海龍馬研究会の設立・代表を務める。2017年9月には、NHK-BS1“「地球リアル」拝啓坂本龍馬様 篇”に出演した。日々、微信(ウェイシン)・微博(ウェイボー)をフル活用して、現地トレンドを収集。毎週末は、続々と来日する中国人の友人・知人を日本各地に案内し、中国人ニーズを研究している。

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