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「泊まれる●●」が続々誕生 ライブハウスに本屋、公園… ホテル不足解消にも一役

2017/10/20

 本を読みながら眠りについたり、音楽ライブで盛り上がったり-。従来のホテルや旅館の枠にとどまらない「泊まれる●●」を看板に掲げる宿泊施設が人気を呼んでいる。その場所に滞在することを楽しむのが目的で、ホテルの客室不足解消にも一役買っている。(田村慶子)

2階に設置した「マンボ・イン」の客室。2段ベッドの素朴な造りだが、使い勝手の良さが受け「リピーターが増えている」という=大阪市北区(田村慶子撮影)
 昨年12月、大阪・梅田にライブハウスと一体化した日本初のホステル「MAMBO Inn(マンボ・イン)」が開業した。

 宿泊客は訪日外国人でもビジネスマンでもない。大阪でライブを開くミュージシャンや、その観客らだ。

 「訪日客が急増する大阪では、ホテルを予約するのも難しい。運よく部屋が取れたとしても、ツアー予算が少ないミュージシャンに宿泊代の負担が重くのしかかっている」

 キイリョウタ総支配人は、ホステルを立ち上げた理由をこう話す。やむなく泊まらずに次のツアー先へ車で移動するバンドのなかには「睡眠不足や疲れから交通事故を起こす人もいる」という。

 平成17年から営業していたライブハウス「梅田シャングリラ」の一部を、定員12人の客室や、打ち合わせもできる食事スペースに刷新。館内で音楽ライブも開けるうえ、1人1泊3500~5千円ほど(税別)と価格も抑えた。一般の宿泊予約サイトにはあえて載せず、ターゲットを絞り込んでいるが「稼働は順調」と言う。

 「泊まれる本屋」がコンセプトのホステル「ブック・アンド・ベッド・トウキョウ」を立ち上げたのは、不動産業のアールストア(東京都品川区)。

 27年に1号店を東京・池袋にオープンしたのをはじめ、福岡など計5店(10月5日現在)を展開。昨年12月に京都市東山区に出店し、関西にも初進出した。

 最大の特徴は本棚の中にベッドが埋め込まれているような客室のデザインだ。京都店には、最大5千冊が収容できる本棚を設けている。国内外から20~30代の若者を多く取り込み、平均客室稼働率も90%超と好調だ。

 「本屋」といっても販売はせず、小説やビジネス書、洋書などさまざまなジャンルの本をベッドへ持ち込んで読める。「寝転んで本を読んでいると、いつの間にか眠ってしまった」という“寝落ち”の至福感が味わえるという。

 静岡県沼津市にあった青少年向け自然体験施設の跡地(約9千平方メートル)を生かし、「泊まれる公園」として10月7日に新装オープンした宿もある。森の中に建てられたのは、室内にベッドを備えた球体型のテント。敷地内では自然体験やワークショップなどのアクティビティも計画されており、地元住民のほか、首都圏などからのレジャー客も呼び込む狙いだ。

 中長期的にホテル不足はほぼ解消するとの見通しもあるが、まだまだ宿泊事業への投資意欲は旺盛。みずほ総合研究所は、大阪では東京五輪・パラリンピックが開かれる平成32年時点でも5千~1万6500室が不足すると試算している。こうした中、新規出店の施設やサービスで特色を競う動きは活発化しそうだ。

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