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台湾でも「真田丸」人気、訪日客誘致の起爆剤となるか…幸村ゆかりの和歌山・九度山町が観光プロモ

2017/09/30

戦国武将・真田幸村の活躍を描き、昨年話題を集めたNHK大河ドラマ「真田丸」が今年2、3月に台湾でも放送された。これを受け、幸村が14年間過ごしたゆかりの地として知られる和歌山県九度山町は8月25日から4日間、台北市内で観光プロモーション活動を行った。「真田丸」効果で九度山町には昨年、過去最多の延べ176万人の観光客が訪れたが、この人気を一過性で終わらせないため、台湾をターゲットに観光客誘致に乗り出したのだ。果たして“台湾の陣”の戦果は-。(山田淳史)

台北で予想以上の反響

手作りの赤い甲冑姿で記念撮影に応じる“九度山の幸村”こと梅下修平隊長(右)=台北市

九度山町は、台北市内で開かれた国際旅行博で和歌山県と共同でプロモーション活動を行った。国際旅行博は4日間で約20万人が来場する人気イベントで、台湾から観光客を呼び込む絶好の機会ととらえた。

8月26日には、県内外で「幸村の里・九度山」をアピールしている「紀州九度山手作甲冑(かっちゅう)真田隊」のメンバー約20人が赤い甲冑姿や忍者姿で登場。ブース前で来場客と一緒に記念撮影したり、真田氏の家紋「六文銭」の幟を持って練り歩く「武者行列」を行ったりした。

また「紀州九度山真田武将隊」を名乗り、特設ステージで殺陣(たて)や演武も披露。梅下修平隊長が「皆の者お、かちどきじゃーっ。えいえいおーっ」と叫ぶと、観客も一緒になって握り拳を高く掲げて声をあげた。

観客の中には幸村の兜(かぶと)を模した帽子をかぶり、幸村にちなんだTシャツを着たファンの姿も。梅下隊長は「記念撮影も殺陣も喜んでくれて、予想以上の反響だった。これが台湾からの観光客増加につながるといい。ぜひ九度山へ遊びに来てほしい」と話す。

龍馬に続け

国際旅行博で演武を見せる「紀州九度山真田武将隊」=台北市

台北市内でのプロモーションは今年3月に続いて2度目。台湾で過去に「龍馬伝」や「篤姫」などの大河ドラマが放送された際、台湾人観光客が日本のドラマの舞台を訪れたことを参考にしたという。

幕末の志士・坂本龍馬が主人公の「龍馬伝」は台湾で2010(平成22)年に放送され、これを契機に龍馬の故郷である高知県には台湾から多くの観光客が訪れた。

観光庁によると、高知県内に宿泊した台湾人観光客は、2009年は延べ1900人だったが、2010年は延べ2130人に。以後も年々増え続け、2016年は延べ1万7350人となった。

高知県内に宿泊する外国人観光客は、かつては韓国がダントツだったが、ここ数年は台湾が最も多い。県国際観光課の宮尾法子チーフ(国際観光担当)は「はっきりと理由は分からないが、『龍馬伝』だけでなく、龍馬が登場したドラマ『JIN―仁―』の放送や、司馬遼太郎の小説『竜馬がゆく』の中国語版が出版されて龍馬の知名度がアップしたことが大きいのでは」と推測する。

県は台湾のメディアを対象に、高知の魅力を紹介する説明会なども開いており、大河ドラマだけの効果とも言えないようだ。

■九度山町はSNSによる情報拡散を期待

今回の観光プロモーション活動を行った九度山町産業振興課の田村宏主任も「真田幸村の場合もドラマより『戦国BASARA』などのゲームで人気があり、認識されていると感じた」と話す。

高知の例のように、九度山町も「真田丸」効果を持続させたいところ。その意味でも、台湾での「真田丸」の放送は一つのきっかけになった。

来場客と記念撮影する「紀州九度山手作甲冑真田隊」=台北市

放送時期と重なる3月には台北市内の駅構内で、幸村や九度山を紹介する中国語版のパンフレットや、幸村の甲冑レプリカなどを用意し、赤い甲冑を身につけた幸村を「レッドサムライ」としてPR。岡本章町長が甲冑姿で登場すると、スマートフォンで撮影する人もいて大盛況だった。

8月の2度目の観光プロモーションでは、ソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)による情報拡散も狙った。「すぐに写真を撮ってSNSに投稿する傾向が強い台湾でパフォーマンスをした方が、国内よりもはるかにストレートに反応が返ってくる。頑張ればかなりの手応えを得られると思った」と岡本町長。甲冑隊による武者行列などは、情報拡散が期待できる格好のコンテンツとなった。

岡本町長は「町としては財政的に世界各地で観光プロモーション活動はできない。そこで台湾にしぼった。ここで集中して宣伝することで情報が拡散すれば、費用以上の効果が見込めるはず」と“戦略”を語る。その甲斐あって、すでに台湾の旅行会社2社から九度山へのツアーが提案されているという。

年間3万人の観光客を

台湾では今後も和歌山県と組むなどしてPRを展開していく方針。田村主任は「台湾では、白浜・那智勝浦を中心とする和歌山の海岸エリアの観光が多く紹介されている。九度山も近隣市町と協力し宣伝していけば、新しい観光ルートとして売り出せるのでは」と期待する。

岡本町長も「高野山(高野町)や、丹生都比売神社のあるかつらぎ町などと組めば、この地域の良さをアピールできる。九度山町には宿泊施設が少ないが、橋本市にはあるし、足りない所を補って役割分担していけばいい」と訴える。その上で、「3~5年は台湾で宣伝し、3年後には町への年間観光客数を3万人にしたい」と話す。大河ドラマをきっかけに始まった観光振興は、どんな成果をあげるか。

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