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ラグビーW杯の関西2候補地、訪日客狙って強豪国戦を誘致する作戦に

2017/09/25

ラグビーの2019年ワールドカップ(W杯)日本大会は20日で開幕まで2年となった。大会に向け、関西の2開催地、「花園ラグビー場」を抱える大阪府東大阪市、「ノエビアスタジアム神戸」を抱える神戸市で準備が着々と進められている。収容人員の関係で日本戦誘致は難しい状況だが、強豪国の試合を誘致し、訪日客をターゲットにする策に転じた。目の肥えた外国人ファンを魅了し、地元のPRにもつながる“妙案”を打ち出せるかが課題だ。

「ものづくりのまち」、世界に名を広げるチャンス

201709251219_1-300x0.jpg大阪府東大阪市が描く改修後の花園ラグビー場のパース図(東大阪市提供)

W杯は同年9~11月の約1カ月半、全国12会場で試合を開催。日程と試合会場は今秋に決まるが、日本戦や強豪国同士の試合開催には、主催団体が収容数4万人超の会場を求めている。

東大阪市は平成22年度から誘致を開始した。会場は、市が近鉄から約45億円で譲り受けた高校生ラガーメンの「聖地」で、収容人数は約3万人の花園ラグビー場。照明塔などの新設も必要で改修は不可欠だったが、市が進める約72億円規模の改修では、日本戦の誘致は難しい情勢だ。

改修費集めにも苦慮した。市が支出できる上限は約41億円で、国も「ラグビー場取得時に補助金は出した」と難色を示したため、野田義和市長は政権にパイプを持つ自民大阪府連幹部の仲介で官邸に何度も直談判。交付金など約29億円を取り付けて資金のめどをつけ、今年2月に着工した。

また、歓迎ムードを高める策は会場決定前から着々と実施。市職員の制服にラガーシャツを導入したり、最寄り駅からラグビー場までの道を「スクラムロード花園」と名付けてまちおこしするなどしてきた。

「ものづくりのまち」を自負する同市は国際的認知度はまだまだだが、外国企業とのビジネスマッチングの潜在能力は高く、「世界に名を広めるチャンス。強豪国の試合を3、4試合誘致したい」と市幹部はいう。

ハイブリッド芝、日本で初導入 草の根活動も

201709251219_2-300x0.jpgノエビアスタジアム神戸の外観(神戸市提供)

一方、神戸市も抱える事情は似ている。ノエビアスタジアム神戸の改修の必要はないが、収容人数が約3万人で日本戦開催は難しく、強豪国誘致が当面の目標となっている。来季は前回イングランド大会の会場の多くで採用された「ハイブリッド芝」を日本で初導入し、選手を最高の環境で迎える準備を進める。

また、前回大会で高まったラグビー熱の低下を危惧し、身体接触がなく簡単な「タグラグビー」の研修会を、市立小の教員を対象に2年前から実施。これまで全160校中70校で行い、ラグビーへの関心を高める草の根活動にも熱心だ。

「訪日客に市内を回遊してもらえるようなツアーなどを模索している」と神戸市の担当者。「東大阪市とも連携し、関西全体でW杯を盛り上げ、さまざまなレガシー(遺産)形成にもつなげたい」とした。

公認キャンプ地、90自治体が“競合”

ラグビーW杯日本大会をめぐっては、期間中の公認キャンプ地をめぐる競争も激しい。出場予定の20チームが調整拠点を検討しており、北海道から沖縄県まで37都道府県の90自治体がひとまず候補地に名乗りを上げた。

前回の2015年イングランド大会では61会場が候補地に選ばれ、その中から41会場が公認キャンプ地として利用された。日本大会でも組織委が今秋にも候補地を選定。出場チームが候補地を視察し、来春以降に公認キャンプ地が決まる。

組織委は要件を満たす会場は原則、候補地に選ぶ考えだが、キャンプ地選定のレースはすでに始まっている。

事前キャンプ地として、長崎市にスコットランド代表、宮崎市にイングランド代表、長野県上田市にイタリア代表などがすでに合意したとされる。参加国と友好都市関係にあったり、早い段階から交渉したりした自治体が内定を得た。各市は地元を挙げてチームを応援する態勢を検討しており、この“実績”を基に公認キャンプ地にも選ばれることに期待を寄せる。

組織委は「大会の成功だけではなく、国際交流のレガシー形成につながることも期待したい」としている。

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