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「広島城」相次ぐコンクリ剥離、剥落…進む劣化、落下防止用の屋根も設置

2017/09/12

国史跡・広島城(広島市中区)で、天守閣のコンクリートの剥離や剥落が相次いでいることが分かった。中には15センチ大の破片も確認されており、市は外国人観光客も急増する中、危険と判断。入り口部分に落下防止用の仮設屋根を緊急に取り付けた。文化庁とも対応を協議しており、年内には本格的な安全対策の屋根を設置する方針。

201709121232_1-300x0.jpgコンクリート片落下防止のため、広島城に設置された仮設屋根=広島市中区

原爆で倒壊後も復元され「復興の象徴」ともされたが、築後60年が経過し、劣化が進んだことが背景にあり、担当者は「劣化がはっきりと目に見える形で確認されたのは今回が初めて」としている。

市によると、現在の復元天守閣は鉄筋コンクリート製。昨年10月、天守閣北側の遊歩道で、巡回中の職員が、天守閣から剥落したとみられるコンクリートの破片を発見した。その後も11月までに計6個が見つかった。他にも細かな破片が複数あるという。

市は天守閣低層部の一部で劣化状況を目視などで緊急調査したところ、外壁や瓦の一部に浮きや剥離が確認された。これまで落下による観光客への被害はないとするが、今後も落下が続けば危険と判断。緊急措置として8月10日、金属パイプや細かい網目状シートによる落下防止用の仮設屋根と防護柵を取り付けた。

広島城跡は昭和28年、内堀と本丸、二の丸が国史跡に指定されており、市は文化庁とも対応を協議。本格的に屋根を設置する工事でも、地面を掘削して地下遺構を損傷する恐れはないと判断、市が設置を決めた。今後、工事業者を決める入札を経て、10月に着工、年内の完成を目指す。

屋根は基盤をコンクリート製とし、金属製の柱や鋼板で構成。天守閣全体の景観を損なわない色や形状とする。来年度以降、天守閣全体の劣化状況の本格調査も予定。外壁補修などの劣化対策について、担当者は「時期や工法などを関係部局と協議調整中」としている。

市によると、広島城は近年の外国人観光客の増加に伴い、入場者が急増。平成28年度は前年度比9%増の33万3187人と過去最高を記録した。

広島城 毛利輝元が築いた平城。旧天守閣は早ければ文禄元(1592)年、遅くとも慶長4(1599)年には完成。昭和6年、国宝に指定された。20年に原爆で倒壊。26年、広島国体の協賛事業・体育文化博覧会の開催にあわせ、木造の天守閣を仮設。国体終了後に解体されたが、32年、広島復興大博覧会に際して復元が決まり、33年完成した。

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