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大阪万博で経団連「お金の話は後ほど」 不安募る東京頼みの関西財界

2017/09/06

2025年国際博覧会(万博)の大阪誘致に向けて誘致競争が本格化する中、会場建設費の負担をめぐって、関西経済連合会と経団連の間で不協和音が生じている。関経連が経団連を頼ったのは資金集めに自信がなかったからだが、経団連は面倒なカネの議論は避けてまずは誘致成功に集中したい考え。関経連は「いずれ負担の取りまとめ役を担わされる」と不安を募らせている。(牛島要平)

まずは誘致成功

201709061222_1-300x0.jpg夢洲を視察した経団連の榊原定征会長(右)と関西経済連合会の松本正義会長(左から2人目)=7月11日、大阪市此花区

「今は具体的な協議をする段階ではない。誘致に全力を尽くす」

7月11日、経団連の榊原定征会長は大阪市内での記者会見でそう語った。官民でつくる誘致委員会の会長を務める榊原氏は同日、万博会場として計画される大阪湾の人工島・夢洲(ゆめしま、大阪市此花区)を初めて視察した。

万博の資金をめぐっては、政府が4月に誘致を閣議了解した際、約1250億円と試算される会場建設費を国、地元自治体(大阪府、大阪市)、民間が3分の1ずつ負担することを了承している。

関西財界は「企業に単純に割り当てるだけでなく、投資を呼び込むなど新たな手法の検討が必要」としている。万博のロゴマークを企業が広告に使うスポンサー方式などのアイデアが出されているが、具体的な協議は進んでいない。

榊原会長の発言は、来年11月の博覧会国際事務局(BIE)総会で開催地が決まるまでは、誘致活動に注力する意向を鮮明にしたものだ。日本はフランスよりBIEへの立候補申請が約5カ月遅れるなど後塵(こうじん)を拝している。

ため息、苦言、うめき

榊原会長の発言は関西財界に波紋を広げた。

「お金集めは非常に頭が痛い。アイデアを出して全額集まったらハッピーだが難しいだろう。足りない分をどうするか、全然見当がつかない」

関経連の松本正義会長は、榊原氏の発言から1週間後、7月18日の定例記者会見でそうため息をつき、「経団連にも知恵を絞ってもらわないといけない」と苦言を呈した。

05年愛知万博では、民間負担585億円のうち、公営競技からの補助金などで199億円、企業協賛による設備などの現物出資で151億円、残りを経団連と地元経済界が負担した。

公営競技の収益が減少傾向にあることなどから、関西財界の中には「あまり多くは期待できない」との悲観論が強い。

松本会長は、会場の路面に敷き詰めるれんがに名前を刻んで小額ずつ資金を出してもらう案や、建物の未利用容積率を隣接地に移転できる「空中権」を活用する案などを例示する。ただ「あるサークル(団体)で何らかの覚悟をしないと集まらない」とも指摘。経団連の姿勢に疑念をのぞかせ、「おはちは関経連に回ってくる」とうめくように語った。

東京の空気

「榊原さんの発言は東京財界の空気感を反映している。まだ経団連が出る幕ではないという意識がある」と、ある関西財界関係者は言う。

今年2月に発足した誘致委のトップに榊原氏が就いたことから異例だった。経済産業省には過去の万博の例を引き合いに、「開催が決まらない段階から経団連が前面に出るのはおかしい」との意見が根強かった。

一方、当時の関経連会長、森詳介氏は「万博誘致は関西だけでは背負えない」として経団連を引っ張り出すべく粘り、安倍晋三政権の強い後押しで榊原氏をトップに据えることに成功した。

森氏の後を継いだ松本会長は、経団連や政府を巻き込んで早期に費用問題を議論したい考えだ。来年1~3月にBIEが現地視察に訪れ、「財源確保の方法」が評価項目に入ることも念頭にある。

経団連は、会員企業に費用負担を依頼した後、誘致に失敗すれば「示しがつかない」との懸念があるのか、そもそも誘致は難しいとみているのか。東西が歩調を合わせなければ、万博誘致の足をすくわれることにもなりかねない。

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