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商業ビルやホテルへの投資、関西で拡大 1~6月に66%増、「ルイ・ヴィトン」入居ビルも売買

2017/08/17

関西で商業用不動産への投資が活発だ。訪日外国人客(インバウンド)の増加やオフィス賃料の上昇を背景に、今年上期(1~6月)の投資総額は前年同期を66%も上回った。高級ブランド「ルイ・ヴィトン」が入居する大阪市中心部のビルが売買されるなど、取引は国内外の不動産関係者の関心を集めており、今後も積極的な投資が続きそうだ。(阿部佐知子)

大型物件の売買相次ぐ

201708171244_1-300x0.jpg御堂筋のランドマークとなっている「心斎橋プラザビル」の本館(右)と新感(左)。今年6月に売買が成立した =8月16日、大阪市中央区(阿部佐知子撮影)

外資系不動産サービスのジョーンズラングラサール(JLL、本社・東京都千代田区)の調査によると、上期に関西(大阪、京都、兵庫、奈良4府県)で売買されたオフィスビル、ホテル、商業ビルなどへの投資総額は3810億円にのぼり、平成20年のリーマン・ショック以降で最大。全国での投資額は前年同期比15%増の2兆1950億円で、関西は全体の17%を占め、過去10年で最も高い比率となった。

投資額が伸びたのは、大型物件の売買が活性化した影響が大きい。野村不動産ホールディングス系の投資法人は3月、道頓堀の観光スポットとして知られる「中座くいだおれビル」(大阪市中央区)を116億円で取得。6月にはヒューリックが、ルイ・ヴィトンが入る御堂筋のランドマーク「心斎橋プラザビル本館」(同)など4棟を取得した。金額は非公表だが、数百億円規模とみられる。

小売店やオフィスの賃料収入を見込む投資のほか、2月に譲渡されたイオン甲子園店(兵庫県西宮市)、6月の旧堂島ホテル(大阪市北区)のように、買い主などが業態転換や再開発を進めるケースもある。物流施設への投資も盛んだ。

「売り手市場」で賃料高止まり

大阪のオフィス需給は近年、需要の伸びが供給を上回る「売り手市場」となっている。

オフィス仲介大手の三鬼商事(本社・東京都中央区)によると、大阪ビジネス地区の平均空室率はリーマン・ショック後の21年以降に10%を超えたが、今年7月には4.09%と大幅に低下。これに伴い賃料は高止まりしている。

JLL関西支社の秋山祐子アソシエイトディレクターは「海外の主要都市と比べ、大阪はまだ賃料上昇の見込みがある。大阪の中心部以外でも物流施設などに投資が拡大している」と指摘する。

◇         ◇

関西の景況感、インバウンド効果で好調

201708171244_2.jpgニッセイ基礎研究所(本社・東京都千代田区)は8月16日、関西経済の景気動向について、低迷していたインバウンド消費が持ち直して景気を下支えし、企業の設備投資計画も全国より伸びているとの分析結果を明らかにした。関西の百貨店の免税売上高は全国よりも回復が顕著で、今後も訪日客の消費が成長の大きな要因になる見通しとしている。

関西の百貨店では平成29年4~6月期の売上高に占める免税売上高比率が約8%にのぼり、全国平均の4%超を大きく上回った。ニッセイ基礎研の斎藤太郎経済調査室長は「関西の方がインバウンドの寄与度が大きく、景況感を押し上げている」と指摘した。

ただ、免税売上高は、昨年の夏から年末にかけて、爆買いの一服や為替の円高傾向を受けて鈍化した経緯がある。今後も北朝鮮問題や欧米の政治情勢により為替が円高に振れれば、訪日客数や消費にブレーキがかかる懸念があるという。

一方、関西では企業の生産や輸出も全国を上回る水準で伸び、今年度の設備投資計画は製造業、非製造業ともに全国より強い。

日銀短観による企業の景況感は全国並みだが、生活実感としての景況感の指標とされる内閣府の景気ウオッチャー調査では、全国より強めに推移している。

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