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有明海の珍魚で餃子、漫画マイナーキャラあえて起用… 佐賀県、異色PRで人気上昇

2017/08/10

佐賀県のPR作戦が、話題を呼んでいる。幻の名店と組み、有明海の珍魚を使った餃子フルコースや、あえて人気漫画のマイナーキャラを起用したホームページなど、多彩な企画を展開する。行政らしからぬ、とんがったPRで、佐賀ファンは着実に増えている。 (中村雅和)

有明海の珍魚

201708091050_1-300x0.jpg餃子店「珍魚苑」で提供される予定の有明海産ワラスボ(佐賀県提供)

佐賀県は8月から9月にかけて、都内で餃子店「有明餃子 珍魚苑(ちんぎょえん)」を開く。エイリアンのような姿が話題となったワラスボや、ムツゴロウ、イソギンチャクなど、有明海の魚介を使った餃子を提供する。

珍魚苑は普段、会員制餃子専門店「蔓餃苑(まんぎょえん)」として営業している。芸能界きっての餃子通として知られるタレント、パラダイス山元さんが切り盛りする。

「蔓餃苑」の営業は不定期で、パラダイス山元さんからの開店メッセージに応じて、会員が予約をする。場所も会員以外には秘密で、全国の餃子ファンから、予約の取れない幻の名店と呼ばれる。

この店を、佐賀県が期間限定で貸し切る。

蔓餃苑の知名度で、1人2万円のコースという高額な設定にも関わらず、希望者が殺到している。すでに実施した8月開催分の募集には、計30人の枠に656人が応募した。希望者は首都圏を中心に、北海道から熊本までいた。9月分の募集は、8月中旬に始まる。

企画は、県広報広聴課東京オフィスの中島いずみ氏が企画した。中島氏は東京赴任後、各地の店を食べ歩くほどの餃子好きだ。

蔓餃苑の会員に、グルメブロガーや業界関係者ら、発信力が高いメンバーがそろっていることに着目した。

「佐賀の食材をグルメ好きにPRするには、最高の舞台だと思いました。有明海の豊かな食材に興味を持ってもらい、それが消費や観光につながると期待したい。もちろん、憧れの店に行ってみたかったのも、発案の原点にあります」と語った。

知名度低い

佐賀県は、企業などと連携した広報活動に、全国でもいち早く取り組んだ。背景には、佐賀特有の事情があった。

「北海道などは単独の物産館で成功していたが、認知度が低い佐賀県は厳しい。知名度のある企業に乗っかる作戦しか、なかった」

県東京オフィスの田中裕資氏は、こう振り返った。

平成25年に女性ファッション誌トップシェアの宝島社と組み、「かわいいものラボ」を発足させた。この中では、「透明すぎるイカ」と名付けた呼子のイカのキャンペーンが、話題を呼んだ。

佐賀県はその後も、ゲーム大手スクウェア・エニックスや任天堂、人気アニメの「おそ松さん」や「ユーリ!!! on ICE」などとの連携を実現させた。

企業と組んだPRは評判を呼んだが、他の自治体もまねるようになった。

田中氏は「他の自治体で同じような企画が増え、佐賀県が埋もれてしまうとの危機感が高まった」と語った。

埋もれないために、佐賀県はさらに、とんがった。

今年7月末、人気格闘漫画『グラップラー刃牙(バキ)』とのコラボサイトを公開した。

といっても、主役をはじめ、主要登場人物は1人も出ない。「控室に主役を呼びに来た人」といった、露出度が低いキャラクターばかりだ。

ファンでさえ「覚えはあるけど、誰だっけ?」と思うモブキャラが登場するサイトは、ネット上で大きな話題になった。

公開からわずか1週間で、このサイトに触れたツイッターやフェイスブックの投稿は2万件を超えた。

企画を担当した田中氏は「露出度こそ低いが、強烈な存在感のあるキャラクターだ。佐賀県も露出度こそ決して高くないが、同じように魅力があることを訴えたかった」と語った。

サイトでは作中のセリフを書き換え、日本酒やイカ、虹の松原など県の観光資源をPRする。最後は、こんなメッセージで締める。

「競うな!! 持ち味を生かせッッ!!!」

佐賀県は持ち味を十二分に生かしている。

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