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ギャンブルの街をエンタメ、リゾートの地に 「ラスベガスを変えた男」が大阪・夢洲で挑む勝負

2017/08/05

大阪府などが大阪湾の人工島・夢洲(ゆめしま、大阪市此花区)に誘致を目指すカジノを含む統合型リゾート施設(IR)の開発・運営事業者に米ウィン・リゾーツが名乗りを上げた。スティーブ・ウィン会長(75)は、カジノ色を薄めて事業を拡大し「ラスベガスを変えた男」とも称される。日本、関西でもその手法は有効とみている。(牛島要平)

おもてなしと「三方よし」

201708041227_1-300x0.jpg米ラスベガスのカジノ。1990年代以降はショーなどのカジノ以外も大きな収益源になり、IRとして発展した

「ウィンは世界的なおもてなし企業です」。7月14日、大阪市内で記者会見したウィン・リゾーツのマーケティング担当幹部、マイケル・ウィーバー氏は強調した。「ウィンの理念は『人を幸せにできるのは人だけ』。どんなに立派なホテルやレストランをつくっても、サービスこそ事業の中核。人と人の交流を重視しています」

スティーブ・ウィン氏が2002年に設立した同社は、05年にラスベガスに開業した「ウィン・ラスベガス」のほか、中国・マカオでIRを展開する。IR事業について日本で記者会見するのは初めてだ。

ウィーバー氏は「おもてなしは日本文化の中にもある。日本におけるIR開発の中で最もエキサイティングな部分です」と訴えた。

従業員離職率が低く、地域社会の投資に貢献し、ビジネスでも高い評価を受けているとして、関西の伝統的な商人文化「三方よし」と共通すると説明。大阪進出への強い意欲を示した。

ギャンブラーよりも家族連れ

スティーブ・ウィン氏は米国で立志伝中の人物だ。1970年代にラスベガスで「ゴールデンナゲット・カジノ」の経営権を取得。客室を持たない単なるカジノだったのを、歌手のフランク・シナトラら大スターのショーが楽しめるリゾートホテルに変えた。

89年にはラスベガス初の本格的IR「ミラージュ」を開業して成功。90年代に「ベラージオ」などのIRを相次ぎ開業し、ラスベガスをギャンブルの街から、家族連れでも楽しめるレジャーの街に変貌させた。

ラスベガスでは、カジノを中核にエンターテインメントのステージやプールなどのレクリエーション施設、レストラン、商業施設などを統合する手法を確立。ゲーミング(カジノ)と非ゲーミングの事業収益比率はおよそ3対7で、同地区全体の5対5よりもカジノのウエートが低くなっている。

悩みを解決するなら

ウィン・リゾーツが記者会見で披露した成功物語と「カジノは集客のために重要だが、それだけで十分に魅力的な価値を提供することはできない」との指摘は、IR誘致を目指す大阪の政財界の意向と悩みを強く意識したもののようだ。

日本国内では、カジノ開設によるギャンブル依存症増加への懸念は依然強く、関西経済同友会などは「IRはカジノだけではない」と負のイメージ払拭に躍起となっている。一方、大阪市はIRを整備する夢洲を関西各地の観光地と結ぶ「国際観光拠点」とし、多彩なエンターテインメントを整備する構想を打ち出している。

ウィン・リゾーツのウィーバー氏は「大阪が外国人客を今よりもっとひきつけようとすれば、私たちがラスベガスで築いたビジネスモデルが必要だ」と訴える。

夢洲のIRをめぐっては、カジノ運営の世界最大手、米ラスベガス・サンズなども意欲を示している。政府は今秋にカジノを監督するルールなどを盛り込んだIR実施法案の国会提出を目指す。日本が世界的な大市場となるのは確実で、参入競争は激しさを増しつつある。

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