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台湾観光業界が日本に熱視線 中国人激減でシフト ガイド養成など課題

2017/08/02

【台北=田中靖人】台湾で中国からの観光客が激減し、観光業界が悲鳴を上げている。民主進歩党の蔡英文政権に対する中国政府の圧力の一環で、長期化を予測した業界は、代わって日本や東南アジアからの観光客誘致に力を入れ始めた。中でも中国を除く“最大顧客”の日本人観光客に寄せる期待は大きい。

201708021213_1-300x0.jpg台北市永康街で目につく日本語表記の看板(田中靖人撮影)

交通部(国道交通省に相当)観光局によると、2008年の中国大陸からの旅行解禁以降、中国人の訪台は急増し、15年には418万人と全体の約4割を占めた。

だが、昨年5月の蔡政権発足直前から減少に転じ、昨年は350万人に激減。今年はさらに150万人減り、収入減少額は200億台湾元(約740億円)に達するとの報道もある。

主に打撃を受けているのは、中国人団体客を目当てに急増した中・南部のホテルや観光バス業者とされる。行政院(内閣)は対策として昨年9月以降、300億台湾元(約1100億円)の優遇貸し付けを開始。東南アジア諸国への観光ビザ免除や韓国ドラマの撮影誘致と撮影地ツアーなどで減少分の代替を模索している。

中でも、16年で約190万人の日本人は、人数で中国人に次ぐ大口。1人1日当たりの平均消費額は241ドル(約2万7000円)で第1位の優良顧客だ。

観光局は昨年から、働く女性の「自分探し」を意識したテレビCMを日本で放映したり、地方自治体に日本語サイトの充実などを呼びかけたりして、新規顧客の開拓に乗り出している。

観光客向けの飲食店や土産物店が並ぶ台北市永康街では、看板や商品の日本語表記が目につく。台湾産天然素材のせっけん店では来客の7割が日本人といい、男性店員(29)は「湿度の低い日本向けにハンドクリームなどの保湿用品を薦めている」と話した。

一方で、日本語ガイドは8割が50歳以上と高齢化が進み、日本語需要に十分対応できていないなどの課題もあり、関係者は大学の観光学科との連携を強化するなど対策を取っている。

台北市旅行商業同業公会の李春霖常務理事は「台湾の観光業は大陸(中国)客の急増で急成長した半面、量重視で質が低下した。台湾の特色を生かす発想に転換し、ピンチをチャンスに変えたい」と話している。

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