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カジノ法案の方向性を提言 入場回数制限、暴力団入場禁止など盛り込む 政府有識者会議

2017/08/01

カジノを含む統合型リゾート施設(IR)に関する政府の有識者会議「IR推進会議」は7月31日、IRの実施法案に関する提言をまとめた。IRに高い国際競争力を求めた一方、ギャンブル依存症などへの対策を盛り込んだ。

201708011458_1.jpgカジノを含む統合型リゾート施設(IR)に関する推進会議で挨拶する山内弘隆議長(右から2人目)=31日午後、首相官邸(斎藤良雄撮影)

政府は報告書を基に、パブリックコメント(意見公募)などを経て実施法案を作成し、秋の臨時国会に提出する方針。カジノ以外を含むIRを規定した法制度は、世界で初めてとなる。

提言では、IRをカジノに加えて国際会議場やホテルなど5施設が一体運営される施設と定義。一つのIRに設置できるカジノは1カ所に制限した。カジノの収益は他施設の採算にも還元する。

IRの設置区域は当初2、3カ所を想定。都道府県などと事業者が共同で国に整備計画を提出し、国土交通相が審査し、区域を認定する。国交相はIRへの立ち入り検査や指示、認定取り消しができる。

日本人のカジノの入場者にはマイナンバーカードなどで本人確認を実施し、入場料を課す。1カ月や1週間の入場回数にも制限を設け、20歳未満の入場を禁止する。カジノ内にはATM(現金自動預払機)は設置できない。

反社会的勢力の影響を排除するため、暴力団員の入場は禁止。カジノ事業は免許更新制とし、IR事業者の役員や関係者の交友関係を調査する。マネーロンダリング防止のため、一定額以上の現金取引については届け出を義務づける。

経済効果年2兆円の試算も 誘致にギャンブル依存症懸念のハードル

政府の「IR推進会議」が31日、実施法案に関する提言をまとめたことで、IR誘致に向けた国内外の企業や自治体の動きが活発化する。ただ、年間約2兆円とされる経済効果の一方、ギャンブル依存症などへの懸念がブレーキとなる恐れもある。

「われわれには積み上げてきた経験がある。依存症についても、対処方法などでお手伝いできる」。米IR運営大手シーザーズ・エンターテインメントの幹部は4月、東京都内での事業説明会で強い意欲をアピールした。MGMリゾーツ・インターナショナルも共同事業者と合わせて計100億ドルの投資を想定する。

日本企業では、旅行大手エイチ・アイ・エス(本社・東京都新宿区)が傘下のハウステンボスのある長崎県佐世保市と誘致を目指す。セガサミーホールディングス(本社・東京都港区)も4月、韓国初のIRを現地企業と共同開発、ノウハウを積み上げる。

大和総研は、国内3カ所(横浜、大阪、北海道)でシンガポールと同規模のIR開発が行われた場合、経済効果は建設で5兆500億円、運営では年間1兆9800億円と試算。今回、提言で実施方針が示されたことで、具体化の動きが加速するとみられる。

しかし、30日に投開票が行われた横浜市長選で3選を果たした林文子氏は、IR誘致が取り沙汰されるものの選挙戦では訴えず、当選後のコメントでも「賛成の声もあるが、多くの市民は不安だ」と“中立”の立場を強調した。誘致に向けては、世論をにらみながらの駆け引きが続きそうだ。(佐久間修志)

カジノ解禁の懸念払拭を IR推進会議提言 国民的論議の土台は整った

カジノを含む統合型リゾート施設(IR)に関する政府の有識者会議「IR推進会議」の提言は、カジノ解禁をめぐる懸念に対応する形で具体的な対策を示した。カジノ解禁が「観光立国の起爆剤」になりうるとはいえ、まず懸念を払拭しなければIR実施法案に国民の理解は得られないとの判断があるからだ。

懸念の第1は、全国の街中の至る所にカジノができるのではないかという点だ。これには都道府県などが民間事業者とつくるIR整備計画を国土交通相が認定する仕組みをとる一方、「1つのIR区域に1つのIR施設(カジノ施設も1つ)を1つのIR事業者が設置・運営する」とし、区域数の上限も設定するとした。事業者からは収益の一部を国が徴収し、公益に活用するなど、IR整備はギャンブルをあおるのではなく公共への寄与が目的であることを打ち出した。

第2はカジノが公正、健全に運営されるかどうかだ。カジノの事業免許は、経歴や財務状況などを詳細に調査したうえでIR事業者のみに付与し、更新制を導入。監督には、独立した行政委員会で、国会同意人事で委員を選任する「カジノ管理委員会」があたるなど厳格な制度を提示した。

第3はギャンブル依存症の増加だ。日本人についてはカジノへの入場回数をマイナンバーカードの本人確認で制限するほか、本人や家族の申告でも規制。入場料も課すことなどにより、過度なカジノ利用を防ぐ。

第4は反社会的勢力の関与で、暴力団員の入場禁止をIR事業者と暴力団員本人に義務付け、違反が発覚した場合は罰則を科すなどの対策を想定する。マネーロンダリングも一定額以上の現金取引の届け出を義務付けるなどして防止する。

提言はこれらの対策を「世界最高水準のカジノ規制」としており、カジノ解禁をめぐる国民的論議の土台は整ったといえる。誤解や偏見、「カジノ=悪」という短絡的な発想を排し、カジノを含むIR整備が日本の観光、経済にもた

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