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米Airbnb社に逆風 どうなる民泊

2016/07/13

民泊仲介サイトの米Airbnb(エアビーアンドビー)の利用者が11日(月)、1億人を突破した。

創業から約8年で世界のホテル業界を脅かすほどの存在になった。

一方で、こうした急成長の代償として、新たな課税や規制などさまざまな問題への対応を迫られている。

3大ホテル超え

201607131839_1-300x0.jpg南アフリカのイベント会場に設置されたエアビーアンドビーのロゴ。創業8年で急成長を遂げた(ブルームバーグ)

「パリに行ってはいけない。パリを旅行してはいけない。そしてパリらしいことをしないでください」

世界7カ国で放映中の同社テレビCMで流れるこのフレーズは、退屈で予測可能な品質の大手ホテルのサービスよりも、規模が小さいカスタムメードの旅行の方が素晴らしいとアピールしている。

エアビーアンドビーのチェスキー最高経営責任者(CEO)は「他の旅行会社に対する当社のビジネスの強みは人間らしさにある」と話す。

米電子商取引イーベイのようなサイトを使い住宅やマンションの空き部屋の宿泊予約を行っている同社の経営規模は急激に拡大。

時価総額は約300億ドル(約3兆1,000億円)と、ホテルチェーン世界最大手の米ヒルトン・ワールドワイドを約30%上回り、米インターネット旅行会社エクスペディアが昨年39億ドルで買収した米同業、ホームアウェイの8倍近くに相当する。

登録物件数では、エアビーアンドビーの230万件はヒルトン、米マリオット・インターナショナル、英インターコンチネンタル・ホテルズ・グループの3大ホテルチェーンの客室数の合計を上回っている。

客室稼働率では大手ホテルチェーンには及ばないが、貸主(ホスト)の大半がパートタイマーであることを考えると高水準にあるといえる。

年間で最大の宿泊者数を記録した昨年末には100万人を超える利用者が部屋を予約した。

今年の夏以降はほぼ毎晩、利用者数が 100万人を上回る状況が続いている。

人種差別も浮上

こうした急成長の一方で、同社の企業体質を問題視する声が上がるなど逆風も吹き始めている。

チェスキーCEOとブレチャージク最高技術責任者(CTO)、ゲビア最高商品責任者(CPO)による2008年の創業以降、同社は数年間にわたり規制当局の監視を受けることはほとんどなかった。

民間の住居を保有するホストは従来のホテル規制では課税対象外だったが、エアビーアンドビーは先月、宿泊税を徴収し地方自治体に支払うことで合意した。

同社のビジネス部門チーフ兼法務部門責任者のベリンダ・ジョンソン氏は「当社は将来に向けて地方政府と協調して前向きに取り組むことを目指している」と説明した。

米ニューヨーク州とサンフランシスコ州では先月相次いでエアビーアンドビーを規制する法案が通過した。

ニューヨーク州議会では先月下旬に30日以下の住居の貸出を禁止する法案が可決された。違反者には最高7,500ドルの罰金を科される。

法案は現在クオモ知事の承認待ちとなっている。サンフランシスコ州でも先月初めにホストを登録制にする法案が可決、エアビーアンドビーはこれに対し、先週訴訟を起こした。

人種差別問題も同社が直面する課題の一つだ。ハーバード大学の研究者が2014、15年に発表した調査によると、エアビーアンドビーに登録するホストのうち黒人は白人よりも収入が少なく、黒人の利用者は人種を理由に宿泊を断られるケースもあった。

同社は最近になって専門家を外部アドバイザーに起用するなど改善に乗り出した。

同社のホスピタリティー責任者、チップ・コンリー氏は「ネット旅行会社で終わるつもりはない。個人向けの現地体験をホテルが提供しているのであれば、それは現場にあるはずだ」と述べ、パリを訪れたい旅行者に選択肢が開かれているとの認識を示した。

from ブルームバーグ by Max Chafkin,Eric Newcomer

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