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「見学できる町工場」が観光資源に 自由研究や修学旅行にも活用

2017/07/13

「下町ロケット」をはじめ、小説やドラマで中心的に取り上げられるようになった町工場。世界に誇る日本のものづくりの現場を直接、見学できる工場も少なくない。子供たちの自由研究のテーマや修学旅行の見学先として公開している工場もあるほか、自治体の中には貴重な観光資源として活用する動きも出始めている。

 ねじ製造機ずらり

201707101210_1-300x0.jpgねじ製造の機械がずらりと並ぶ浅井製作所の工場=埼玉県草加市

東京都心から電車で約40分の埼玉県草加市。草加せんべいでなじみ深いこの街の地場産業がねじ製造。市内には十数カ所のねじ工場が存在する。その一つ、浅井製作所は2011年から一般見学者を無料で受け入れている。

「ものづくり」と聞いてねじを連想する人も多いが、「その作り方を知っている人はほとんどいない。だったらねじのことをもっと知ってもらおうと考えた」(浅井英夫社長)のがきっかけだ。

工場内には数十年にわたって動き続けるねじ製造機が並ぶ。線材を数ミリ~数センチの長さに切断し、「ヘッダー」と呼ばれる装置でねじの頭部を成形する。最後に転造機でギザギザの溝を付ける。数万種類を扱い、1本からでも注文に応じる。中には同社でしか作れないねじもあるという。

工場見学を受け入れたからといって、すぐ売り上げに直結するわけではないが、「注文を電子メールで受けたとき、発注者が過去に見学に来た会社の技術者だった」こともあったという。夏休みを前に、親子での見学の申し込みがすでに入っている。

浅井製作所では、毎月最終金曜日の「プレミアムフライデー」用の企画として、缶ビール1本付きの大人の工場見学プラン(1000円)も用意し、知名度向上に一役買っている。

地域振興の一助に

一方、修学旅行生の受け入れに積極的なのは、へら絞りを得意とする北嶋絞製作所(東京都大田区)。へら絞りは、平面状や円筒状の金属板を回転させながら、へらと呼ばれる金属棒を押し当てて少しずつ形を整える金属加工法で、航空機やロケットなどの先端部の部品にも用いられている。

4~6月には岐阜県や宮城県から中学生ら10件の修学旅行生を受け入れた。主に数人のグループ行動で、行き先の一つに町工場があるという。北嶋貴弘社長は「生徒からのお礼の手紙が仕事の励みになる」と話す。

東京都板橋区や足立区など、自治体の中には地域振興策の一環として、工場見学が可能な企業の情報をホームページで紹介しているところもある。

日本国内にある約42万の工場のほとんどが従業員300人未満の中小の町工場だが、後継者不足や都市化の進展で年々その数は減っている。

大田区や墨田区では毎年秋に、区内にある多くの町工場を一般公開して、観光資源として活用している。ものづくりの“いま”を知ってもらうこうした試みは、今後も広がりそうだ。

                   ◇
 

見学可能な町工場
社名 所在地 主な製品や技術
浅井製作所 埼玉県草加市 ねじ
北嶋絞製作所 東京都大田区 絞り加工
小原歯車工業 埼玉県川口市 歯車
共栄ゴルフ工業 兵庫県市川町 ゴルフクラブ
山岡金属工業 大阪府守口市 たこ焼き器
芦刃物製作所 堺市堺区 刃物

 

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