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ロシア・サンクトペテルブルク、中国人観光客取り込みに本腰 革命、共産主義…「赤い観光」展開

2017/07/09

ロシアのウラジーミル・プーチン大統領(64)のおひざ元、サンクトペテルブルク市が中国人観光客の取り込みに本腰を入れている。すでにサンクトペテルブルク市の観光地は中国人客であふれているが、当局はさらに今年、前年比で約3倍の20万人を呼び込む構えだ。中国人客の関心を呼ぶ「革命」や「共産主義」をキーワードに、目標達成を狙っているという。

201707061552_1.jpgエルミタージュ美術館の周辺では中国人観光客らが長い行列をつくっていた=6月3日、ロシア西部サンクトペテルブルク(黒川信雄撮影)

プーチン大統領のおひざ元、目標は前年の3倍

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6月上旬、サンクトペテルブルク市の観光の中心地、エルミタージュ美術館にはひっきりなしに観光バスが乗り付けていた。バスから降りてくるのは中国人観光客ばかり。冷たい雨をものともせず美術館の周辺に長蛇の列を作り、通りがかりの地元住民が驚きの声をあげていた。

タクシー運転手は「夏場になれば観光客の半分は中国人だよ」と明かすほど、市の観光産業は中国人客に依存している。ロシアが中国人団体客への査証(ビザ)制度を緩和したことや、ロシアの通貨ルーブルが落ち込み、割安感が出ていることも中国人観光客の増大を後押ししているのだという。

しかしそれだけにとどまらない。サンクトペテルブルク市は今年、昨年と比べ3倍増にあたる20万人の中国人観光客呼び込みを目指しているのだ。露メディアによると、サンクトペテルブルクが特に力を入れているのが、中露の歴史的つながりをアピールする“観光ルート”の開拓だ。

「赤いペトログラード(サンクトペテルブルクの旧称)の中国の同志たち」「赤い観光ルート 赤い司令官」

観光当局のホームページでは、こんな観光ルートの名称がみつかる。ちょうど100年前に起きたロシア革命と、中国のつながりを歩むという内容だ。サンクトペテルブルクはロシア革命の中心地としても知られる。

ロシアとともに共産主義の道を進んだ中国では、革命指導者や史跡への関心が特に高いという。サンクトペテルブルクには「戦艦オーロラ」など関連史跡が多く残るほか、当時市内に居住した中国人学生や労働者らが、革命に参画したという経緯もある。

1970年代、80年代の「懐かしさ」を売り込むのも重要だ。中国人観光客には特に、ソ連時代の「ミルクシェーク」などのデザート類が人気なのだという。プーチン大統領も昨年、習近平国家主席と中国で会談した際にロシアのアイスクリームを贈り、“中露蜜月”を演出してみせた。

露メディアによると「赤い観光ルート」計画はサンクトペテルブルクにとどまらず、連邦政府も導入を計画している。観光当局は11月に、モスクワ、サンクトペテルブルクに加えシベリアやウラル地方などを含めた7つの「ルート」を中国人客向けに提案する予定だ。そのうち3つは毛沢東によるソ連訪問に関連したものだという。(サンクトペテルブルク 黒川信雄、写真も)

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