Logo sec

少女アニメの世界観をファションに“変身”する20代後半から30代前半の女性たち

2017/06/26

「美少女戦士セーラームーン」「カードキャプターさくら」…。少女アニメの世界観をモチーフにしたファッションが、大人の女性たちの間で静かなブームとなっている。バッグやシューズ、コスメなどコーディネートのアクセントとしてさりげなく取り入れるのがポイントで、幼い頃に憧れたヒロインに“変身”する喜びをひそかに味わうのだという。

一見分からないデザイン

201706261324_1.jpgバンダイが資生堂の「マキュアージュ」と共同開発した「美少女戦士セーラームーン」のファンデーションケース(左)と化粧下地((c)武内直子・PNP・東映アニメーション)

JR東京駅に隣接する地下街「東京キャラクターストリート」の一角に昨年6月にオープンしたキャラクターショップ「オトナ女子美日和(じょしびより)」。玩具大手、バンダイ(本社・東京都台東区)の直営で、バンダイが開発した少女アニメをモチーフにしたコスメなどのファッショングッズを販売し、連日多くの女性客でにぎわっている。

とりわけ人気が高いのは、1992年のアニメ放送開始から今年で25周年を迎えた「美少女戦士セーラームーン」の世界観を取り入れたコスメグッズだ。化粧品大手、資生堂(本店・東京都中央区)のブランド「マキアージュ」と共同で開発し、今年4月に売り出したファンデーションケース(税込み3780円)は、小さな星や月などがちりばめられたデザインで、洗練された印象を与える。

ファンデーションケースを愛用しているという会社員の女性(34)=杉並区=は「アニメが前面に押し出されていると外出先で使いにくいが、一見しただけでは、アニメ関連グッズとは分からないデザインであるのが気に入っている。それでいて、分かる人には分かるので話題も弾む」と話す。

浮かないようにデザイン

201706261324_2.jpgバンダイが6月に発売を予定している「美少女戦士セーラームーン」の口紅((c)武内直子・PNP・東映アニメーション)

バンダイはこのほかにも、セーラームーンのヒロインらが少女から「セーラー戦士」へと変身する際に使うブローチをモチーフにしたコンパクトケース(税込み4104円)などを販売。2013年の発売当初は、光沢が強く厚みのあるデザインだったが、アンケートで消費者から「かわいすぎて使えない」「ポーチの中でかさばる」などの声が寄せられたため、昨年、色合いを抑えた薄型のデザインへと刷新した。

6月には、セーラームーンやセーラーマーキュリーなど5人のヒロインたちをモチーフにした口紅(税込み3024円)も発売される。

「大人の女性のポーチの中のアイテムで浮かないようなクオリティを心がけた」と商品開発を担当したバンダイの藤岡彩加さんは語る。ターゲットに据えているのは、アニメ放送時に10歳前後だった20代後半から30代前半の女性。「キャラクターは古びず、大人になってもかわいいと感じることができる。かつてこのアニメが好きだった多くの人たちに手に取ってもらい」

いずれも数量限定で販売しており、そのプレミアム感も人気を後押ししているようだ。

購買意欲は「憧れ」起因

201706261324_3.jpg「スーパーグルーピーズ」で販売されている「カードキャプターさくら」のルームウエア((c)CLAMP・ShigatsuTsuitachi CO.,LTD./講談社)

コスメだけでなく、バッグやシューズなどの小物でアニメの世界観を演出する動きも出ている。アニメをモチーフにしたファッショングッズを扱う通信販売サイト「スーパーグルーピーズ」での利用者は20、30代が中心で、その8割以上が女性だ。

NHKで1998年から2000年にかけて放送されたアニメ「カードキャプターさくら」をモチーフにしたルームウエアなど「普段使い」できる商品が人気。少女アニメではないが、昨夏公開され爆発的な人気を博したアニメ映画「君の名は。」の傘や腕時計も売れ筋のアイテムだ。

スーパーグルーピーズを運営するアニウェア(本社・東京都渋谷区)の稲田貴之さんは「1990年代の有名アニメグッズを購入してくれる女性たちは、決してコアなアニメファンが中心というわけではない。ディズニーのキャラクターをかわいいと好む感覚に近い」と説明する。

2013年にサイトを立ち上げた当初は、アニメの要素を比較的強めに押し出したデザインが人気だったが、近年はアニメの色を抑え、普段使いできるもののニーズが高いという。

稲田さんによると、この変化の背景には次のような事情がある。サイト立ち上げの頃はアニメをファッションの小物に取り入れるという動き自体が珍しく、アニメグッズのコレクションの一環として熱心なファンが購入していた。アニメのファッション化が進んだことで、アパレル商品として捉えられるようになった。

スーパーグルーピーズでは2日に1度、新商品を投入する。客単価は1万2500円と決して安くない。稲田さんは「その購買意欲は、アニメが作り出した『憧れ』に支えられている」と話している。(文化部 玉崎栄次)

美少女戦士セーラームーン 武内直子さん作の少女漫画。アニメは1992~97年にかけてテレビ朝日系で放送された。中学生の少女たちがセーラー服をモチーフにした戦闘服姿に変身して魔物と闘う内容で人気を博した。

カードキャプターさくら CLAMP(クランプ)作の冒険ファンタジーの少女漫画。NHKで1998~99年にかけて放送された。封印を解いたことでバラバラになったカードを集めるため、小学生の少女が奮闘する姿を描き、ブームを巻き起こした。

君の名は。 2016年8月に公開された新海誠監督の長編アニメーション映画。夢の中で出会った高校生の少年と少女が、悲劇を食い止めようと活躍する物語を美しい映像で描いた。興行収入は200億円を超え、邦画としては「千と千尋の神隠し」に次ぐ歴代2位の記録を樹立した。

あわせて読む

資生堂

もっと見る
「資生堂」の記事をもっと見る

アニメ

もっと見る
「アニメ」の記事をもっと見る

化粧品

もっと見る
「化粧品」の記事をもっと見る

ファッション

もっと見る
「ファッション」の記事をもっと見る

バンダイ

もっと見る
「バンダイ」の記事をもっと見る