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銀座のランドマークに「世代交代」 訪日観光客などターゲットに

2016/07/11

電機各社の東京・銀座のランドマークが「世代交代」の転換点を迎えている。

ソニーは、銀座のシンボルとして昭和41年から50年にわたって親しまれてきたソニービルの営業を、建て替えのためいったん終了すると決めた。
 

201607121014_1-450x0.jpg銀座4丁目交差点に9月24日(土)開業する複合商業施設「GINZA PLACE」


その向かいの東芝ビル跡地に今年3月開業した大型商業施設「東急プラザ銀座」では、三菱電機の最先端技術が体験できるイベントスクエア「METoA Ginza(メトア ギンザ)」が入居し、パナソニックのLED(発光ダイオード)照明が建物を彩る。

2020年東京五輪・パラリンピックに向けて増加が見込める訪日観光客などをターゲットに、日本の「お家芸」とされてきた電機メーカーの高度な技術を再認識させる銀座を舞台にした“縄張り争い”が過熱しそうだ。

 

ソニービル取り壊し

海から突然現れ、ビルを次々と倒していく恐竜のようなモンスターに、ロボットがドラム缶を投げつけたり、バズーカ砲を発射したりして迎え撃つ-。こう書くと、映画館でSFアニメを見ているようだが、そうではない。

場所は、10月13日(木)に発売される仮想現実(VR)対応機「プレイステーションVR」が体験できるソニービル1階ショールーム。週末になると、家族連れでにぎわう。

モンスター役の父親がヘッドマウントディスプレーを装着して体を動かし、子供はモニター画面に映るロボットをコントローラーで操作する。そばにいる母親からは「パパ、よけて、よけて!」と、楽しそうなかけ声。昔は将棋やトランプ、キャッチボールが定番だった親子の遊びの形を一変させるゲームだ。

ソニービルには1~6階にショールームや直営店が入居し、食卓に海や山の映像を投影できるポータブルプロジェクター、デジタルカメラ「α(アルファ)」シリーズなども展示。

来場者は年間400万人に上るが、来年春に取り壊されることが決まった。

もちろんモンスターが来襲するからではない。

2018年夏から、東京五輪が開催される2020年夏まで、都民の憩いの場となるイベント広場「銀座ソニーパーク」として暫定的に開放。五輪後に新しいビルを着工し、2022年秋に完成・営業再開させる予定だ。

東芝ビル跡地には大型商業施設が開業

「五輪までにビルを建て替えるのはスケジュール的に厳しい。更地を開放するというのはいいアイデアだ」と、銀座のビル業界関係者は語る。広場では、コンサートなどの開催も想定しているという。

ソニーは構造改革によるV字回復で、3年ぶりの最終黒字と2年ぶりの復配を達成。この成果により、平井一夫社長の2016年3月期の報酬は、これまで返上していた賞与に当たる業績連動報酬などが加わり、7億7,920万円となった。

これだけ稼げば、銀座で豪遊したくなるところだが、更地を開放するとはなんとも“太っ腹”だ。

建て替えに伴い、ショールームなどを銀座4丁目交差点に9月24日(土)開業する複合商業施設「GINZA PLACE(銀座プレイス)」に移転する。

構造改革で思い出されるのが、ソニービルの向かいにあった東芝ビル。

東芝の前身の東京電気時代の1934年に完成し、主に商業・オフィス用の賃貸ビルとして利用されていたが、東芝が事業の「集中と選択」の一環として、2007年に東急不動産に敷地ごと売却した。その跡地に今年3月開業したのが、大型商業施設「東急プラザ銀座」だ。

三菱電機が29年ぶり銀座復活

伝統工芸品「江戸切子」をイメージしたガラス張りの外観が斬新な建物の1~3階に入居するのが三菱電機のイベントスクエア「メトア ギンザ」。 2階には、64面液晶マルチディスプレー(幅19.4メートル、高さ 2.7メートル)による大型映像システム「メトア ビジョン」が設置され、花や宇宙をテーマにした高精細の4K映像が楽しめる。

三菱電機といえば、1963年~87年に三愛ドリームセンターにショールームを開設。29年ぶりの銀座復活となったが、メトアは「製品を展示するだけのショールームではなく、技術・サービスをアートや文化と結びつけ、見て、触れて、体験できる施設」(担当者)という点が新しい。

ビルには、パナソニックが屋内・屋外型のLED照明器具計1,841台を納入。メーンエントランスがある西銀座通り、みゆき通り側では、季節や転向に応じた照明で光の移ろいを演出する。

東急プラザ銀座では、税別19万8,000円もするシャープのロボット型携帯電話「ロボホン」の体験コーナーも6月末まで常設。人間と対話ができるのに加え、愛らしいルックスは「女性にも好評」(担当者)といい、銀座のクラブで財力をアピールし、モテるための“飛び道具”としても期待できそうだ。

東芝は昨年、歴代3社長が引責辞任する不正会計問題が発覚し、2016年3月期には7.987億円の営業赤字を計上。ビルどころか、「メード・イン・ジャパン」の象徴だった白物家電事業を中国家電大手・美的集団に売却する事態に追い込まれた。

かつての保有ビルの跡地がライバル社の技術のアピールの場になるとは、実に皮肉な話だ。

東芝は、引責辞任した田中久雄元社長が2015年3月期に1億2,400万円の役員報酬を得て物議を醸したが、2016年3月期の役員報酬は15人で計1億4,200万円にとどまり、ソニーの平井社長の5分の1にも満たない状況だ。業績回復し、銀座を闊歩できるのはいつになるのか。

by 産経新聞 宇野貴文

 

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