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IR誘致めざす仁坂和歌山県知事、立地条件の見直し要請

2017/06/01

カジノを含む統合型リゾート施設(IR)誘致を掲げる和歌山県の仁坂吉伸知事は5月31日、東京都内でIR推進本部の本部長補佐を務める杉田和博官房副長官を訪問し、政府の有識者会議がIRの立地条件に、大規模な国際会議場や展示場の設置を検討していることについて、県側の意見をまとめた要望書を提出した。これに先立ち、自民党の二階俊博幹事長や門博文衆院議員ら県内の国会議員にも協力を依頼。県と、IRの制度設計を進める政府・与党との駆け引きは今後、激しさを増しそうだ。

201706022141_1.jpg県内の国会議員と意見交換する仁坂知事(右から2人目)ら県幹部(和歌山県提供)

「地方創生の観点が抜け落ちている」。この日、仁坂知事が杉田氏に提出した要望書からは、有識者会議で行われてきた議論に対する県側の危機感がにじみ出ていた。県によると、杉田氏は「地方の声もしっかりと聞き、議論をしたい」と応じたという。

地元自治体の和歌山市と連携し、「地域経済の起爆剤」と位置づけて市南部の人工島「和歌山マリーナシティ」へのIR誘致を進めてきた県が、有識者会議の議論の進展に焦りを隠さないのは、検討されている立地条件の行方次第では、和歌山は、誘致の「スタートラインにも立てない」(県担当者)との観測があるためだ。

有識者会議は5月10日、IRの立地条件について協議。カジノ以外の中核施設として、大規模な国際会議場や展示場などを設置することや、IRの認定区域数に上限を設け、当初は2、3カ所に制限することが検討された。

こうした施設を国際会議の需要が少ない和歌山で維持していくことは現実的に難しく、要望書では「地方都市でその要件を満たすことは極めて困難」と指摘。また、認定区域が少数の大都市にとどまった場合、「周辺地域への経済的恩恵は限定的で、地方創生にはつながらない」とクギを刺した。

さらに、昨年12月末に成立したIR推進法で「(IRは)地域経済の振興に寄与する」ことが目的として掲げられていることを踏まえ、地方が地域の特性を生かしたIRを実現できるような制度設計を行うことを求めた。

一方、仁坂知事は杉田氏との面会前、二階幹事長や世耕弘成経済産業相、鶴保庸介沖縄北方担当相ら県内の国会議員と意見交換。二階氏からIRへの直接の言及はなかったが、二階氏に近い門衆院議員は「IRを何としても誘致したい」と述べ、今後も県を積極的に支援していく姿勢を強調した。

要望書の提出は、平成30年度の国に対する施策・予算要望の一環として行われ、仁坂知事はこの日、国土交通省や農林水産省などを相次いで訪問し、大臣・副大臣らと面会した。

 

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