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アジア出身外国人を本格戦力に積極採用 訪日旅行者の需要見込むホテルなど

2017/05/01

今年に入って訪日した外国人が今月、史上最速で1千万人を突破するなか、アジア出身の外国人を企業が本格戦力として採用する動きが広がっている。訪日旅行者のインバウンド需要を取り込みたい観光業や、海外の富裕層向けに販売を伸ばしたい不動産業などが積極的だ。現地での人材探しをサポートする紹介ビジネスも拡大している。

201705311349_1.jpgアパホテル〈TKP日暮里駅前〉のフロントで接客する梁さん(左端)=東京都荒川区(共同)

前職の経験生きる

「行ってらっしゃいませ」「お気を付けて」

4月中旬、東京・上野に近く外国人客も多い「アパホテル〈TKP日暮里駅前〉」で、台湾人の梁伊●(●=女へんに亭)さん(36)は、てきぱきと接客していた。

台湾の大学で日本語を勉強。卒業後は台湾の航空会社で客室乗務員をしていた。中国語、日本語、英語の3カ国語を話すことができ、昨年12月からこのホテルで働いている。

「日本の観光業の接客は要求水準が高いけれど、航空会社での経験が生きた。仕事は楽しいし給与も満足。日本に来てよかった」と梁さん。

人脈で大型受注

このホテルを運営するのは、貸し会議室などを手掛けるティーケーピー(本社・東京都新宿区)だ。主にホテル・リゾート事業の要員として、数年前から中国や台湾出身者を年に数人採用している。「裕福な家庭の出身者がいて、独自の人脈で大型の日本ツアーを受注するケースもある」と人事担当者は話す。給与体系は日本人と同じだ。

投資用マンションなどを販売するシーラ(本社・東京都渋谷区)も3年前から台湾、中国、韓国の出身者を、主に自国の顧客への営業要員として年に1~2人採用。「日本人とは物件に求める条件が異なるので、文化的な背景を知っている人の方が成果を出しやすい」と湯藤善行社長は話す。

今後、日本でのアジア人の不動産購入は増えるとみており、外国人社員への期待は大きいという。

紹介ビジネスも

就職支援・人材紹介事業を展開するネオキャリア(本社・東京都新宿区)は、アジア人採用を支援する事業を昨年10月に開始した。主にインターネットで募集し、現地でのセミナー開催や面接の設定、入国手続きなどをサポートする。

今年4月までに20~30代を中心に、約500人を小売りや観光業など約50の日本企業に紹介。担当者は「今後はエンジニア不足が深刻な中堅・ベンチャー企業向けに、ベトナムやインドからの紹介ビジネスに力を入れていきたい」と話している。

                   ◇

■日本の文化芸術に親しんでもらい誘客

政府は、訪日外国人旅行者にもっと日本の文化芸術に親しんでもらい、さらなる誘客につなげる取り組みを強化する。観光戦略に関する局長級会議で、歌舞伎やコンサートの多言語による解説を充実させ、美術館の夜間開館拡大を進めることを確認した。

平成32年に訪日客を4000万人に増やす目標を掲げており、外国人観光客の受け入れに関する施策充実の一環。

多くの外国人に伝統芸能や演劇、音楽の公演に足を運んでもらうため、今年度中に民間企業などと検討会を立ち上げる。チケットを購入しやすくすることや情報発信などが課題となりそうだ。

東京・上野では博物館や美術館の夜間開館やイベントによる活性化事業が進んでおり、こうした取り組みを各地に広げる。

各地の自然遺産や文化財をさらに生かすことや、海外へのプロモーション強化も柱とする。

政府観光局は、統計や会員制交流サイト(SNS)のデータから訪日客の国・地域別のニーズを分析して戦略的なプロモーションを図る。

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