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規制改革答申 訪日客拡大に対応、旅館の客室規制撤廃など6分野141項目

2017/05/24

政府の規制改革推進会議(議長=大田弘子政策研究大学院大教授)は5月23日、6分野141項目の答申を安倍晋三首相に提出した。行政手続き簡素化などを通じた生産性向上、旅館の客室規制撤廃を通じた訪日外国人客拡大への対応が柱。ただ、「目玉」に据えていた介護保険内外のサービスを組み合わせる「混合介護」の本格解禁には踏み込めず、与党や業界の反発が強い分野では「実行力」に課題を残した。

201705241320_1.jpg規制改革推進会議で、安倍晋三首相(中央)に答申を手渡す大田弘子議長(左)=23日午前、首相官邸(斎藤良雄撮影)

政府は答申をもとに実施計画をまとめ、6月上旬に閣議決定する。安倍首相は会議で「旧来の仕組みにとらわれず、柔軟に規制・制度を見直すことが強い経済をつくる」と語った。

行政手続き簡素化は手間のかかる事務を減らして企業の生産性を高めるのが狙い。企業の作業時間を3年で2割減らすことを目指す。飲食業の許認可など9分野については手続きのオンライン化も進める。

旅館の客室規制撤廃は2020年東京五輪に向けて訪日客を受け入れやすくするのが狙い。「最低5室以上」が条件となる旅館やホテルの規制を見直し、少ない客室数でも開業できるようにする。

働き方改革では、労働基準監督署の一部業務を社会保険労務士などに委託する方針を盛り込んだ。長時間労働の監督を強化し、違法残業をなくす。

ただ、今回の答申では「構造的に(着手が)難しい」(大田議長)分野が多かった。

介護保険が適用されるサービスと保険外サービスを組み合わせる「混合介護」については現在、同時・一体的に提供することは許されていない。会議は緩和を求め、事業者向けガイドラインを年内につくるよう厚生労働省に求めたが、与党は「高所得者優遇だ。保険外の負担ができない人がサービスを受けにくくなる」と強く反発。答申では、平成29年度内に結論を出す方針を示すにとどめた。

農協改革を柱とする「農業改革」についても、会議側は当初、全国農業協同組合連合会(JA全農)改革が進まなければ「第2全農」をつくるという急進案を示したが潰れた。一般ドライバーが自家用車で客を送迎するライドシェア(相乗り)もタクシー業界の反発で抜本策が見送られた。

民間人のみで構成する同会議は「強制力」が限られるとの指摘もあり、政権がどこまでバックアップするかの覚悟も問われそうだ。(山口暢彦、西村利也)

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