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日銀短観 製造業、6月景況横ばい 英離脱リスクで緩和期待

2016/07/02

日銀が1日(金)発表した6月の企業短期経済観測調査(短観)は、大企業製造業の景況感を示す業況判断指数(DI)が前回の 3月調査と同じプラス 6だった。

円高進行による輸出企業の収益圧迫から悪化が予想されていたが、輸入原材料の価格低下などで悪影響を打ち消す形となった。

ただ、英国の欧州連合(EU)離脱決定後の円高は織り込まれておらず、企業の景況感や設備投資計画は下振れリスクが高まっているといえそうだ。市場からは日銀の追加の金融緩和期待が高まっている。

「実態はもっと悪い」小売は訪日客の消費が鈍化

業況判断DIは、景況感が「良い」と回答した企業の割合から「悪い」と回答した割合を差し引いた値。

大企業の業況判断DIを業種別にみると、円高による輸出への悪影響を警戒する生産用機械や業務用機械、円高で訪日外国人観光客による消費の勢いが足元でやや鈍化している小売りなど、全28業種中14業種が悪化した。

ニッセイ基礎研究所の櫨浩一氏は「業況判断指数は英国離脱決定前の数字。実態は額面よりももっと悪い」と指摘する。

 2016年度の想定為替レートは1ドル=111円41銭で、3月調査から約6円円高を見込む。しかし、英国の国民投票結果が明らかになった6月24日には一時1ドル=99円台に突っ込むなど、急激な円高による企業心理の冷え込みが懸念される。先行きの改善を見込む自動車も、悪化に転じる可能性もある。

円高の影響は、足元で 6.2%増を見込む大企業全産業の16年度設備投資計画にも暗い影を落しかねない。政府・日銀は、大企業が得た利益が設備投資や賃上げの増加に回り、中小企業や地方にも波及する「経済の好循環」を狙う。だが、その源泉となる企業収益が輸出企業を中心に円高で陰りが出てしまっては、その流れに水を差しかねない。

減益さらに悪化も

短観では今回、 16年度の経常利益計画は既に前年度実績に比べ 7.3%減の減益となることが見込まれているが、さらなる悪化も予想される。

このほか、大企業製造業、非製造業とも販売価格DIの下落傾向が弱まる一方、仕入れ価格DIはそれを上回る上昇となった。

SMBC日興証券の牧野潤一氏は「企業の価格設定スタンスが弱まっていることを示唆している。デフレにつながりかねない」と指摘する。

市場では「リスクの顕在化を未然に防ぐ」という日銀のこれまでのスタンスを踏まえ、7月末の金融政策決定会合で事実上の円高修正を図る追加の金融緩和に踏み切るとの見方がくすぶっている。

 

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