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大阪・咲洲に「大型施設誘致作戦」再始動 3年前は応募ゼロの“因縁の地”

2017/05/08

人工島・咲洲(大阪市住之江区)の活性化を図ろうと、市が計4.2ヘクタールもの広大な遊休地の売却に向け準備を進めている。北隣の夢洲(大阪市此花区)では統合型リゾート(IR)や国際博覧会(万博)の誘致計画が進んでおり、慢性的な宿泊施設不足が課題となるなか、ホテルなどを売却先として想定しているという。ただ、この遊休地は3年前にも開発事業者を募ったものの、応募ゼロだったという因縁の土地。今回は事業者への条件を緩和し、再挑戦する。

集まる期待

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売却を予定しているのは、咲洲北部の市営地下鉄コスモスクエア駅周辺に市と外郭団体が所有する4カ所の遊休地。同一事業者に4カ所すべてを一体開発してもらうため、まとめて売却する構想だ。ホテルだけでなく、商業施設や研究所などとして利用することも想定しているという。

今月から7月まで、事業者からの提案について具体的に話し合う事前確認を実施。この結果、複数の応募があればプロポーザル(提案型)入札を行い、応募が1者の場合は土地の売却に向けた審査に入る方針だ。

市は昭和50年代後半からコスモスクエア地区で環境・エネルギーなどの先端産業や展示会、国際会議場の集積を目指し、大型施設の建設に着手したものの、第三セクターのアジア太平洋トレードセンター(ATC)や旧大阪ワールドトレードセンタービル(WTC、現大阪府咲洲庁舎)が相次ぎ経営破綻。咲洲地区への企業誘致も苦戦してきた経緯がある。

平成16年に同駅前でマンション開発を解禁し、居住者が増加したものの、いまだ広大な遊休地が残っており、開発業者の参入に期待が集まる。

苦い記憶で条件緩和

遊休地売却をめぐっては、市には苦い記憶がある。平成26年、マレーシアの大手不動産会社から市に同駅周辺でホテルや高級マンション、オフィスビルなどの一体開発構想が持ちかけられたにもかかわらず、実現できなかったからだ。

土地売却で公平性を確保しようと公募を行ったが、市が出した条件が厳しく、この会社は応募せず、結果的に応募者なしとなってしまった。

市の担当者は「全ての施設を2年以内に着工するという条件が厳しすぎた」と分析。今回、あらためて行う公募では条件を緩和し、段階的な開発をしても良いことにするほか、総面積の半分までは転売も認めるという。

慢性的なホテル不足

開発を急ぐ背景には、大阪への訪日外国人が増加するなか、慢性的なホテル不足が解消されないという課題もある。

大阪市は企業向けに用途を限定しているコスモスクエアの他の地区について、制限を緩和し、ホテルやマンションを組み合わせた複合施設も認める条例改正案を5月議会に提出する。吉村洋文市長は「民間の資金を活用して賑わいのあるエリアにしたい」と期待する。

さらに市は、浪速区のJR・南海新今宮駅前の遊休地(1万3900平方メートル)についても、滞在型施設の整備を条件に入札を実施。星野リゾート(長野県軽井沢町)が選定され、温浴施設やレストランを備えた600室規模のリゾートホテルが平成34年春に開業することが決まっている。

また、大阪府も今年度、55階建ての咲洲庁舎(大阪市住之江区)の7~17階に入居するホテルを公募。事業者選定を進めている。
 

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