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ムスリムファッションに熱視線、ジェネレーションMが世界の有名ブランドを引きつける

2017/04/29

ムスリム(イスラム教徒)の人口増や生活水準の向上を背景に、アバヤやヒジャブなど、ムスリム女性のファッション市場が広がっている。国内外のアパレルブランドや繊維メーカーが参入し、富裕層への売り込みを強化。新感覚のファッションとして、ムスリム以外の需要も期待されている。(田村慶子)

控えめなムスリムファッション

201704271716_1-300x0.jpg昨秋開かれた「モデストファッションショー」=東京都台東区(ハラールメディアジャパン提供)

東京で昨年11月に開かれたハラル(イスラム合法)商品の展示商談会「ハラールエキスポジャパン」。食品メーカーを中心に約120社が集まるなか、一際注目を集めたのがアバヤやヒジャブのトレンドを紹介した「モデストファッションショー」だ。

「モデスト」は英語で控えめ、隠すを意味する「modesty」と、最先端ファッションの「mode」の掛け詞。主にムスリム女性のファッションを指す。

黒一色と思われがちだが、ショーでは色とりどりの斬新なデザインが披露された。実際、国によって着られる色や素材はさまざまで、主催したハラールメディアジャパン(本社・東京都渋谷区)の横山真也さんは「ファッション性の高い品が東南アジアなどでは増えている」という。

ジェネレーションM

注目の背景にはムスリム人口の爆発的な増加がある。現在16億人超で、全世界の4分の1。特に多い東南アジアは経済成長により生活水準が向上し、衣料品にかけるお金も増えている。

米調査会社のトムソン・ロイターによると、ムスリムが衣類にかけた額は2015年に2430億ドル(推計)。21年までに3680億ドルに達すると予測され、世界のファッション市場を上回る成長率が続く見通しだ。

横山さんは「ファッションに関心の高い20~30代半ばのムスリムを指す『ジェネレーションM』の急増も大きく影響している」と説明。最近は日本の若い女性にもイスラム文化が注目され、「新感覚のファッションとして広がりつつある」という。

「モデストファッション」にドルチェ&ガッバーナやシャネルなど、欧州の高級ブランドが食指を動かし、市場参入している。H&Mは自社広告にヒジャブ姿のモデルを起用、日本国内ではユニクロも昨年、本格的にヒジャブを売りだした。

和風アレンジも登場

201704271716_2.jpg村上法子さん(右)が開発した日本製ヒジャブ。機能素材を強みにやさしい色合いの品をそろえている=大阪市住吉区(田村慶子撮影)

約40年前から中東諸国向けにアバヤやヒジャブ用の生地を手がけるクラレ(本社・東京都千代田区)は、日本勢の中で約5割のシェアを有し、黒の発色性や風合いの良い素材に定評がある。

クラレは、表地は伝統的な黒だが裏にプリントを施し、差し色として着こなせる新素材を約2年前に開発。「ドバイなど富裕層で販売が伸びている」(担当者)という。原油価格の下落により中東市場は減速気味だが、2020年にドバイで万博が開かれるなど経済復調の機運もあり、クラレはムスリム男性向け「トーブ」の市場にも乗り出している。

こうしたムスリム向けファッションに着目し、関西では新たにブランドを立ち上げる中小事業者も出てきた。

一昨年から販売を始めた「Musubime(結び目)」も、そんなブランドのひとつ。大阪市住吉区に拠点を構える村上法子さんは、厳しい暑さでも快適に過ごせるよう接触冷感素材などを用いた日本製ヒジャブを開発し、贈答用を中心に拡販を図る。京都でも着物をモチーフにした和風ヒジャブなどを売り出すブランドがあり、訪日客向けの市場も広がっている。

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