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4面ガラス張りの展望車を初公開! 豪華寝台列車「トランスイート四季島」に乗ってみた

2017/04/27

JR東日本(本社・東京都渋谷区)が5月1日から運行を開始する超豪華寝台列車「トランスイート四季島(しきしま)」に4月26日、試乗した。上野-宇都宮を結ぶ約105キロ。贅(ぜい)を尽くした客室で受ける高級ホテルのようなサービス、地元の食材を用いた料理、何もかもが超一流だ。最高倍率76倍、3泊4日で最高96万円の“プラチナチケット”を体験した。(社会部 池田証志)

201704271136_1.jpgJR東日本の豪華寝台列車「トランスイート四季島=26日午前、上野駅構内(後藤徹二撮影)
201704271136_2.jpgJR東日本の豪華寝台列車「トランスイート四季島の展望車(10号車)=4月26日午前、上野-宇都宮間(後藤徹二撮影)

午前9時34分、JR上野駅13.5番線。人気映画「ハリー・ポッター」を想起させるレトロな装飾の専用ホームから、四季島がゆっくりと動き出した。

シャンパンゴールドの外装の先頭車は展望車で、今回が初公開。4面ガラス張り、天井まで広がる大きな窓が特徴だ。樹木の枝で覆われたようなデザインの壁を抜け、自然光が木漏れ日のように注ぐ。定員6人のソファ席は車窓に向けられ、窓の外に流れる田園風景をくつろぎながら眺めることができる。窓の外に目をやると、赤ちゃんを抱いた若いお母さんが手を振っているのが見えた。

「トランスイート」は全室がスイートルームの電車をイメージしたフランス語の造語。有名デザイナーの奥山清行氏がプロデュースした。客室は内装に木材や和紙など日本の伝統的な素材を取り入れ、和洋折衷の中に落ち着いた雰囲気が漂う。

201704271136_3.jpgJR東日本の豪華寝台列車「トランスイート四季島」デラックススイートの客室内=26日午前、四季島車内(後藤徹二撮影)

最上級の客室「四季島スイート」はメゾネットタイプ(20平方メートル)。2階にある畳敷きの和室では、靴を脱ぎ、掘りごたつでくつろぐことができる。風呂は長野・木曽地方のヒノキ製だ。国産ナラの座椅子は秋田製、ふかふかのカーペットは山形製、ドアの取っ手は南部鉄瓶でできている。

「訪問する東北地方の素材や伝統工芸をいっぱい詰め込んでいます」と説明するのは、同乗する9人のクルーのうちの1人、星沙恵子さん(29)。定員乗客34人の部屋のベッドメークや清掃といった身の回りの世話から、食事の配膳、観光案内までこなす。ヨガ・インストラクターだった星さんは、乗客向けヨガ教室も開く。「家族を受け入れるような気持ちで温かくお客さまをお迎えしたい。くつろぎの空間で、一生心に残る旅のお手伝いをします」

5号車のラウンジに足を運ぶ。白を基調とした明るい部屋の中央にソファが置かれ、日差しでカクテルが光っていた。クルーたちが考案したオリジナルカクテル「粋(すい)」。ジンをベースに山形産の柚リキュールと山梨産のお茶リキュールを入れ、シェイクしたものだ。

併設のバーでは、カクテル80~90種に加え、ワインやウイスキーも用意している。もちろん、すべて料金に含まれている。「震災復興の意味で山形や福島のお酒を取りそろえています」と説明するのは、クルーの増田貴仁さん(39)。クルー全員でワインセラーを訪ねてボトルを選んだ。作り手の思いを乗客に伝えるのだという。

バーテンダーが即興でオリジナルカクテルをつくってくれた。桜のリキュールをリンゴジュースで割ったショートグラス。淡いピンク色が美しい。「春の季節の色と青森のりんごを合わせました」と紹介するのは、クルーの岩田尚志さん(28)。細いグラスを手に取り、少しだけ口に含むと、リンゴジュースの酸味の中に上品な桜の香りが広がった。

突然、ピアノの音が聞こえてきた。ピアニストの増田みのりさん(38)の生演奏だ。乗客の出迎えや夜のバータイムなどに合わせて、美しい調べが聞けるという。

旅行の楽しみといえば、食事。四季島のダイニングカー(6号車)では、訪れる土地の食材を生かした料理が振る舞われるが、今回は岩手産の牛肉をメーンにしたフランス料理が用意された。

メニューには、

「漢方和牛のロースト 黒にんにくとバルサミコのソースで」

と書かれている。

201704271136_4.jpg「トランスイート四季島」のダイニング(6号車)で提供されるメイン料理「漢方和牛のロースト 黒にんにくとバルサミコのソースで」=26日午前、四季島車内(後藤徹二撮影)

漢方和牛とは、漢方やハーブを食べさせる独特の飼育法で育てられた牛の肉で、芳醇な味わいが特徴。秋田のいぶりがっこ入りガレット、山形産アスパラガスが純白のプレートをにぎやかす。添えられた岩手産の雑穀「アマランサス」は免疫力を高める効果があるとされ、青森産の黒にんにくは活力の源とともに、旅の疲れを癒やしてくれる。

四季島には、鉄道ファンにもたまらないスポットがある。展望車の入り口脇。小さなドアのガラス窓からエンジン室の中をのぞくことができる。ディーゼル発電装置を間近に見られる珍しいチャンスだ。

午前11時11分、予定通りに宇都宮駅に到着。約1時間半の小旅行を終えた。5月1日から始まる本運行ではこの後、時間と空間の移り変わりを感じながら、日本の美しい四季と伝統を堪能する豪華寝台列車の旅が本番を迎える。

四季島は5月から北海道や東北を周遊する3泊4日のコースと、甲信越地方などを回る1泊2日のコースで運行を開始。旅の途中、クルーの案内で観光も楽しめる。料金は2人1室の場合で、1人32万~95万円。すでに来年3月までチケットは完売しているという。来年4月以降のスケジュールは「近日中に公表予定」(JR東日本)だ。

JR九州の「ななつ星in九州」の成功を機に、豪華列車の“戦国時代”に突入。JR西日本も6月から、「トワイライトエクスプレス瑞風(みずかぜ)」の運行を始める。JR東日本の高橋敦司・営業部担当部長は26日、上野駅で「ご協力いただいた地域の皆様の思いを乗せ、鉄道の新しい未来を築いていきたい」と抱負を語った。

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