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セガサミー、韓国初のIR開業 仁川空港隣接、運営ノウハウ積み上げ

2017/04/21
201704211137_2.jpgパラダイスシティ内に開業した外国人専用カジノ。韓国最大級の規模を誇り、アジア圏全体からの集客を目指す=20日、仁川広域市(佐久間修志撮影)

セガサミーホールディングス(HD)(本社・東京都港区)と韓国パラダイスグループが共同開発した韓国初の統合型リゾート施設(IR)「パラダイスシティ」が4月20日、同国の仁川広域市内にオープンし、開業式典が開かれた。

セガサミーHDは収益性の高いIRを含むリゾート事業を収益の柱の一つに育てていく考えで、韓国で運営ノウハウを積み上げていく。

パラダイスシティは仁川国際空港に隣接する33万平方メートルの敷地内にホテルや外国人専用カジノ、商業施設などで構成。約1兆3000億ウォン(約1240億円)を投じ2012年から開発が進められた。

今回は第1弾として高級ホテルとカジノ、国際会議などに使用できるコンベンション施設をオープン。来年上期には商業施設や温浴施設、テーマパークなどが開業する。

高級ホテルは368平方メートルの最高級スイート2室をはじめ711室を備える。カジノは韓国最大級となる約1万5000平方メートルの施設面積に158台のテーブルゲーム、291台のスロットマシンを設置し、多数の日本人スタッフを配置して来場者にきめ細かなサポートを実施する。コンベンションホールは参加者1000人の晩餐(ばんさん)会に対応する。

施設内には日本の草間彌生氏ら有名アーティストが手がけたオブジェなど約100点を含む約2700点の芸術作品が展示され、アートとリゾートの融合を目指している。

韓国ではすでに17カ所のカジノが運営されるが、会議場や商業施設などが一体となったIRはなかった。隣接する仁川国際空港はアジア有数のハブ空港で首都ソウルだけでなく、北京や上海、東京などアジアの主要都市から数時間でアクセスが可能で、好立地を武器に拡大するアジアのIR市場を取り込む。(仁川 佐久間修志)

韓国初のIR開業 解禁間近の国内6兆円市場にらみ“前哨戦”

セガサミーHDが韓国で統合型リゾート施設(IR)を手がけたのは、IR解禁を間近に控えた日本国内での開発をにらんだ“前哨戦”との側面がある。年間約6兆円ともされる日本のIR市場をめぐってはラスベガスやマカオで実績ある海外の運営会社も熱視線を送っており、今後のつばぜり合いが加速しそうだ。

「まれに見る上質なエンターテインメント空間で、自信を持って誇れる施設に仕上がった」。セガサミーHDの里見治会長兼最高経営責任者(CEO)は開業セレモニーで、1200億円超を投じたIRの出来栄えに胸を張った。

視線の先にあるのは、2020年の東京五輪・パラリンピック後に待つ日本でのIR解禁だ。昨年12月にIR推進法が成立。今秋の臨時国会にもIR区域の認定制度やカジノを監督する管理委員会などのルールを盛り込んだIR実施法案が提出される見通しで、早ければ22年には日本初のIRが誕生する。

経団連の試算によると、日本国内のIR1カ所当たりの需要創出効果は年間約5800億円で、世界の開発業者にも垂涎(すいぜん)の市場だ。

米MGMリゾーツ・インターナショナルは100億ドル(約1兆900億円)の投資を表明。マカオのメルコ・クラウン・エンターテインメントのローレンス・ホー会長兼CEOも「予算的な制約を設けずに投資したい」と意欲を示す。

国内勢もエイチ・アイ・エス(本社・東京都新宿区)が傘下のリゾート施設「ハウステンボス」(長崎県佐世保市)での開発を視野に入れる。最大で全国10カ所とされるIRの事業者選定は熾烈な受注競争も予想され、セガサミーHDはこれまで17カ所にカジノがある激戦区で経験値を積み、百戦錬磨のライバルに対抗する構えだ。

課題はいまだ輪郭が定まらない「日本型IR」への対応だ。カジノを含むIRはギャンブル依存症などを懸念する声が根強く、安倍晋三首相は「家族連れで楽しめる」「全国各地を訪問できる」といった諸外国では例のないIRを目指しているが、1カ所に長期滞在させて収益を上げるという従来のビジネスモデルが生かせない可能性もある。

セガサミーHDは今後、最大100人程度のスタッフを韓国に派遣し、パラダイスシティをIRにおける日本流サービスのパイロットファームに位置づける。里見会長兼CEOは「カジノで完全に不正がないシステムを独自開発中」としており、IRに対する懸念払拭に向けた旗振り役も担っていく。(仁川 佐久間修志)

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