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USJ 決算開示せず 関西訪日ビジネス牽引の重要指標が不明に

2016/07/01

大阪市のテーマパーク「ユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)」の運営会社が、平成28年3月期の売上高や営業損益などを盛り込んだ決算を開示しない方針であることが6月30日(木)、分かった。

新会社移行 「開示義務なし」

一定規模以上の株式会社は決算の開示が義務づけられているが、運営会社は昨年11月に米メディア大手コムキャストに買収され、今年4月に書類上は新会社に移行したため、「28年3月期は旧会社の決算に当たり開示義務はない」と説明。30日(木)の開示では、資産や負債などの貸借対照表の要旨など一部の情報にとどめた。

関西では、USJは地域経済の牽引(けんいん)役に位置付けられ、決算への関心が高い。しかし、非公表によって、重要な経済情報の一つを欠くことになる。

訪日客取り込みの指標なのに

 

201607011046_1.jpg ウィザーディング・ワールド・オブ・ハリー・ポッター」新アトラクションのオープニング・セレモニー。広瀬アリス・すず姉妹が登場し、呪文唱えると車が宙に浮いた=大阪市此花区(安元雄太撮影)
27年3月期決算は、人気映画「ハリー・ポッター」の新エリア開業などの効果で、売上高が1,385億円、営業利益が 390億円といずれも過去最高を記録していた。

 

USJは関西への観光客誘致の中心的存在で、急増する訪日外国人の取り込みで歩調を合わせてビジネスを展開する百貨店やホテルも多い。

地域に親しまれ、強い影響力を持つUSJだけに、より積極的な情報開示が求められる。

USJの運営会社は、経営陣による自社買収(MBO)で21年に上場廃止になって以降は、毎年6月末ごろに官報で3月期決算の概要を開示していた。

しかし、今年は貸借対照表の要旨など一部の開示にとどめ、売上高や営業利益などを記載する損益計算書は開示しなかった。

理由について市場関係者は、「直近で再上場するなど大きな資金調達の必要性がないからではないか」(岩井コスモ証券の有沢正一投資調査部副部長)と分析。投資家らに業績を広く知らせるメリットに乏しいことが背景にあるとみる。

来年以降は開示の方針

USJは 27年度にオープン以来最高となる1,390万人の入場者を記録。28年 3月期も過去最高の売上高と営業利益を計上した27年と同等かそれを上回る額になった可能性はあるが、業績が明らかにされなければ、USJの稼ぐ力を見極める手段を失う。東京ディズニーリゾートだけでなく、国内外の娯楽施設との比較も困難になる。

USJの業績は、関西経済の成長性を推し量る大切な情報だ。USJの運営会社は、来年以降は決算内容を開示する方針とし、非開示になっている部分も親会社のコムキャスト全体の決算に盛り込まれる可能性があるとした。

関西を代表するUSJには、情報開示でお手本となるような会社であってほしい。

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