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そういえば民泊条例を施行した大阪府はどうなっているのか?

2016/06/30

訪日外国人の宿泊施設不足解消を目的に、4月に施行された大阪府の「民泊条例」が早くも“有名無実化”している。

国家戦略特別区域のメニューである外国人滞在施設経営事業(いわゆる「特区民泊」)に関する情報提供ページです。 大阪府では、本事業の特定認定に係る審査基準、申請書類等をこのページで公表し、平成28年4月1日から申請の受付を開始します。
出典:大阪府 国家戦略特別区域外国人滞在施設経営事業(いわゆる「特区民泊」)に関する情報提供

人気が高い大阪市は対象外ということもあり、これまでに民泊営業の認定を受けたのは、わずか2件。一方、マンションの1室などで旅館業法に基づく許可を得ずに営業する「違法民泊」は増加の一途をたどっている。

  • 大阪市は政令市なので府の条例の対象外
  • そのせいもあってか4月以降認定物件はわずか2つ
  • 一方で違法民泊は増加の一途

事業者側に課せられた条件の厳しさも申請が低調な一因とみられ、府は要件の緩和を検討している。

 

「外国人うるさい」張り込む不動産会社社長 警察は相手にしてくれず

大阪市内で賃貸マンション6棟を運営する不動産会社の社長(48)は4月中旬の夕方、管理物件の廊下で張り込んでいた。「深夜に外国人にインターホンを鳴らされた」「話し声がうるさい」といった苦情が相次いだからだ。

しばらくすると、浅黒く彫りの深い顔立ちの外国人男性4人組が、談笑しながら廊下を歩いてきた。部屋に入ろうとしたところを呼び止めると、男性らはスマートフォンを取り出し、民泊仲介サイト「Airbnb(エアビーアンドビー)」の予約画面を示した。

Airbnb https://www.airbnb.jp/

部屋の借り主は30代の日本人男性。「最初から民泊に転用するつもりで借りた」と認めたため、契約違反ですぐに退去させた。「こんなトラブルは日常茶飯事だが、警察には『制度の移行期だから』と相手にしてもらえない。早く制度を整えてほしい」と訴えた。

大阪府の認定施設はたったの2件

昨年10月に全国初の民泊条例を制定した大阪府は、平成26~27年の宿泊施設の客室稼働率が2年連続で全国1位。条例はインバウンド(訪日外国人)需要を逃さない妙手になるはずだったが、施行以降の認定施設は 2件にとどまる。

参入希望者には「部屋面積25平方メートル以上」「宿泊日数は7日以上」などの規制に加え、周辺住民への周知義務なども課せられ、条例に基づく民泊は「使い勝手が悪い」(不動産関係者)。

政令市の大阪市が府条例の対象外となっている影響も大きい。市でも同様の条例が今年1月に成立してはいるが、運用開始は10月以降だという。

違法物件は増加の一途

一方、違法民泊は宿不足を背景に増加を続ける。

Airbnbによると、ミナミなどの繁華街がある大阪市中央区の 2015年の民泊の宿泊実績は前年の70倍に増え、伸び率は世界一。

「和」の雰囲気を意識した装飾や飲食の無料提供などサービス合戦も活発化しているが、旅館業法に反することに変わりなく、住民トラブルなどの問題も依然として残る。

新法か府条例か

東京五輪が開催される2020年に「訪日外国人4,000万人」の目標を掲げる政府は、民泊を本格的に解禁する方針を固めている。行政の許認可が不要で、インターネットで自治体に届け出るだけで営業を可能にする新法を、来年の通常国会で成立させたい考えだ。

一般住宅に有償で客を泊める「民泊」の法制化を議論してきた政府の有識者会議は6月20日(月)、最終報告書を取りまとめた。
民泊 法制化の最終報告書まとまる 政府の有識者会議

だが、新法は府にとって穏やかな話ではない。松井一郎知事は条例に基づく民泊事業者の認定を増やすよう指示。政府に対し、面積や宿泊日数などの要件緩和を求めており、早ければ今秋にも条例の改正案を府議会に提出する予定だ。

府の担当者は「ここまで少ないのは想定外」としながらも、「新法には年間の営業日数を180日以下とする規制が盛り込まれる見込みだが、府条例にはそうした縛りはない。民泊事業をトラブルなく進めるためにも、条例は有効であることを訴えていく」と話している。

by 大森貴弘

201606301151_1-300x0.jpg府の条例と新法の違いは比較的明確だ

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