Logo sec

ところ変わればメディア対応も…台湾でのPR展開、日本企業が注意すべきポイントは

2017/04/07

総合PR会社のベクトル(本社・東京都港区)が3月14日、インバウンド誘致など台湾でのPRを検討している企業向けに「台湾でのモノの広め方」と題したメディアセミナーを開催した。台湾の大手マスメディア関係者を講師に招き、台湾メディアとの付き合い方や注意点などアドバイスした。国・地域が変われば、メディア対応も大きく変わる。日本と同じ感覚で対応すると、期待通りのPRができないケースもあるという。台湾で効果的なPR展開をするにはどんな点を注意すればいいのだろうか。セミナーからそのポイントを紹介する。

総合PR会社ベクトルが台湾メディア講師にセミナー

ベクトルは台湾をはじめ、中国の北京・上海、香港、タイ、ベトナム、インドネシア、シンガポールの7カ国・地域に拠点を設け、海外事業を展開している。現地メディアとのネットワークを構築。日本企業のマーケティング、PR活動を支援している。特に台湾は、中国の爆買いが沈静化して以降、インバウンド誘致や商品プロモートの大きな柱に据える企業や自治体が多いことから今回のセミナーが開催された。

セミナーには、台湾の有力メディアである中国時報の黄樹徳副編集長と、三立電視股份有限公司の陳宥亘チャネルマーケティング副マネジャーらが登壇。メディア向けのプレスリリースの書き方や記者の一日の生活スケジュール、記者との円滑に付き合うためのノウハウなどきめ細かく伝授した。

プレスリリースは「ワード」が基本 PDFはNG

201704071650_1-300x0.jpg中国時報の黄副編集長

「とにかく台湾の新聞記者の一日は忙しい。一日に何本も記事をかかなくてはならない。ブレスリリースのタイトルは一目でわかりやすいものにしないといけない。それから『ワード』で作成してください。枠線や囲みはいりません」(中国時報の黄副編集長)

日本の場合、プレスリリースをPDF形式で配布するケースが多い。しかし、台湾ではリリース原稿をコピー&ペーストしてから、不要な部分を削ったり、必要な部分を書き加えたりしながら記事を作成する記者が多い。

PDFはコピペができない場合があり、加工しやすいワードで作成するのがベスト。強調したい部分も枠線や囲みにするのも記者にとっては不要で、強調するには太字やフォント変更で対応するのが喜ばれる。

タイトルも「〇〇を×月×日に発売」とシンプルな内容だと、すぐにゴミ箱入りになりかねない。記者が記事にしようと思わせるようなキャッチーなタイトルをつけることが求められる。

また、リリースに対する問い合わせは当日回答が常識で、すぐに回答できる担当者の携帯電話番号を添えるのが必須。「返事がない」「お答えできない」などの対応をしてしまうと、「同意・了承した」とみなされてしまい、誤報につながることもある。新聞記者の一日のスケジュールをみると、日本に比べて、締め切り時間が相当早い。それだけに記事作成にもスピードが求められているようだ。

台湾PRで陥りやすい3つの誤解

「中国向けリリースをそのまま台湾で配布しないで!」(中国時報の黄副編集長)

黄副編集長は日本企業が台湾でプレスリリースを配布する際、陥りやすい3つの誤解があると指摘する。

その一つに挙げたのが、中国と台湾では、簡体字と繁体字の違いがあることだ。また、中国で使う表現が台湾で使われないことがあり、単に簡体字を繁体字に修正するだけではなく、台湾の視点を取り入れながらアレンジすることが大事だと説いている。

また、メディアによって「中国寄り」「日本寄り」という先入観を持つことも禁物だという。政治記事、論説記事では、親日や反日の論調があっても、ビジネスや経済記事、旅行面の記事などが影響を受けることはないそうだ。

もう一つの誤解は、メディアキャラバンだ。メディアキャラバンとは、PRしたい商品を直接、各メディアに持ち込んでアピールするプロモーション手法で、日本では一般的だが、原稿執筆に追われている台湾の記者には時間をとられるため不評なのだという。

記者とのコミュニケーションをとる方法として、「仕事終わりの会食や午後のコーヒーなど、記者として接するのではなく、個人として付き合うことが大事。連絡をとるのも、電話よりもLINEなどSNSを活用したい方がいい」(黄副編集長)とアドバイスしている。

法律で1社単体のオンエアは禁止

201704071650_2-300x0.jpg三立電視の陳副マネジャー

「台湾のラジオ・テレビ法では、政府発表以外の情報を報道する場合、1社単体では、商品名やメーカー名、企業ロゴなどを出すことができない」

台湾の有力テレビ局の三立電視の陳副マネジャーはこう語り、台湾でのニュース報道にある特有の規制に留意する必要があると指摘した。

例えば、日本の自動車メーカーのニュースを取り上げる場合、ホンダやトヨタ自動車など最低2社以上の社名や商品を挙げて報道するよう決められており、1社のみの報道の場合は「日系の自動車メーカーは~」といった形で社名などは伏せられるという。

陳氏によると、三立電視が運営する24時間ニュース専門チャンネル「三立新聞台」の取材スタンスはは「面白いシーンが押さえられるものを取材する」というもので、日本のニュースと比べると3倍の撮影映像を使用し、カットを切り替えるなど動きのある構成をしているという。このため、ニュースとして扱われるには、多くの撮影素材を用意する必要がある半面、使われる映像はわずかになるという。

また、海外取材の場合は旅費や宿泊費など渡航関係の費用はすべて取材先が負担するのが慣習になっているという。記者は海外取材中も最低2~3本のニュースを出すなど多忙なため、ロケハンや事前打ち合わせを行う時間がほとんどない。現場での変更依頼も多いが、企業側には臨機応変な対応をお願いしたいと解説した。

台湾の訪日客は多くの場合、事前に自国でさまざまなメディアを活用して、旅行先や購入するものなどを研究するケースが多く、現地でのメディア戦略の重要性が増している。メディアをはじめ現地の実情を把握しなから、戦略を練ることが求められている。

あわせて読む

海外進出

もっと見る
「海外進出」の記事をもっと見る 「台湾」の記事をもっと見る

訪日プロモ

もっと見る
「訪日プロモ」の記事をもっと見る

ベクトル

もっと見る
「ベクトル」の記事をもっと見る